盛岡タイムス Web News 2013年  10月  20日 (土)

       

■ 〈ジジからの絵手紙〉48 菅森幸一 「教室市場」

     
   
     

 戦後、食料を筆頭にあらゆる物資が欠乏していたことは前に話したね。お店に行っても品物がないのだからどうしょうもない。闇市に行けばある程度のものは手に入るが何しろ庶民には高根の花だ。

  その頃どういう訳か学校で時々いろいろな生活用品を販売? していた。文房具関係が多かったが、身の回りの品なども割と安く売っていた。特別に学校に児童用として割り当てがあったのかもしれない。

  だいたい個数が限られていたので希望者が殺到するが、担任の先生は子どもたちの生活を観察しながら上手に順番を決めたり、またその理由を子どもたちが納得するように丁寧に説明してくれた。お互いに似たような生活をしていたわれわれは、譲り合う心の優しさをそこで学んだような気もする。

  でもたまにはクラス全員が希望して、しかも圧倒的に割り当ての絶対数が不足しているゴム長靴やゴム短靴の場合には、先生も結局は「くじ引き」という最後の手段に出る。さあ学級中大騒ぎさ。今まで見たこともないような熱気の中で籤(くじ)に当った者の喜びようったら大変だった。

  残念ながらジジは籤運に恵まれず順番で水彩絵の具を買ったのが最高だったかな。


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