盛岡タイムス Web News 2013年  10月  22日 (火)

       

■  宇宙の起源 ぼくらが探索 県内13校でILC授業 候補地北上山地で企画 齋藤武彦教授(独マインツ大)解説


     
  河南中で生徒たちに分かりやすく素粒子物理学を講義する齋藤教授  
  河南中で生徒たちに分かりやすく素粒子物理学を講義する齋藤教授
 

 本県が国内候補地に選ばれた国際リニアコライダー(ILC)についての「ILC特別授業」が21日から始まった。震災の支援団体のSAVE IWATE(寺井良夫理事長)が主催。25日まで県内の小中高13校で行われ、ドイツのマインツ大の齋藤武彦教授の講演を通じて、ILCの意義や素粒子物理学に理解を深める。

  21日は盛岡市の県立盛岡一高、市立河南中、城北小で開いた。齋藤教授の話で基礎科学を易しく学び、ILCによる宇宙の起源の探究に夢を広げた。

  齋藤教授は被災地支援で本県を訪れ、SAVE IWATEの科学授業の中で講義。盛岡一高(高橋廣至校長、生徒855人)では2年生190人が聴講した。

  齋藤教授は「原子核を作っている粒子は核子。陽子はプラスの電気を持っていて、中性子は電気を持っていない。陽子や中性子が何からできているか調べると、陽子、中性子、核子は三つの粒子でできている。三つの粒子をクォークという。クォークはこれ以上細かくできず、皆さんも全ての物質もクォークからできている」と物理学を講義した。ドラえもんの「どこでもドア」を例えに、生徒の関心を引き付けた。

  宇宙の起源の探究については「クォークは宇宙が始まったビッグバンの瞬間、宇宙が始まって0・000001秒後に出来、それが集まって陽子や中性子になるのが3分後。そのあと原子ができるのが38万年後。最初はガスのような状態で、くっついて星ができるのが90億年後。宇宙の歴史の大半はクォークや原子だけの世界。クォークや原子を研究するのは宇宙の歴史のほとんどを研究すること」などと述べた。

  河南中(中村雅英校長、生徒443人)では全校生徒を前に、「大きな加速器を作ろうとすると一つの国では作れない。それで決まったのが国際リニアコライダー計画。巨大な加速器で素粒子物理学の謎を全部解明しようと、直線型のものを世界が共同して作る。国としての一番の候補は日本。政府がまだ作るとは決めていないが、九州と二つの候補地から岩手県に決まった」と述べた。

  盛岡一高で講義を聞いた菅原美希さん(2年)は「身近に楽しみやすく聞いた。宇宙はどこまでも追究でき、分かっていないことがたくさんある。宇宙の誕生について研究できれば面白い」。塩倉悠靖君(同)は「理数科で6月に筑波の高エネルギー研究所に行き、素粒子を勉強してきたので、今回この時期に原子やクォークの話を聞くのは興味深い」と話した。

  河南中の生徒会長の田頭愛永さん(3年)は「最先端の話で少し難しそうと思っていたが、楽しく宇宙について学ぶことができた。専門の話を私たちの知っているキャラクターで説明してもらった」と感謝の言葉を述べた。

  25日は紫波町立長岡小、候補地の奥州市の小学校でも行う。


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