盛岡タイムス Web News 2013年  10月  31日 (木)

       

■  地域の国際化を提言 多言語対応や県大新学部 ILC設置の実現へ サポート委員会が知事に


     
  達増知事へ提言書を手渡すルイス委員長ら(右)  
 
達増知事へ提言書を手渡すルイス委員長ら(右)
 

 国際リニアコライダー(ILC)国内候補地に決定した北上山地をめぐり、誘致の実現に関する提言が30日、達増知事に手渡された。奥州市在住の外国出身者で組織するインターナショナルILCサポート委員会(ビル・ルイス委員長、9人)が提出した。県立大にILC関連分野の学部新設を求めるほか、外国人研究者・技術者とその家族らのために多言語の標識設置、町内会・自治会の情報提供など生活全般について本県の「国際化」を求めた。

  同日はルイス委員長(米国出身)と委員の遠野ペルリタさん(フィリピン出身)、美野マークさん(カナダ出身)、事務局のある奥州市国際交流会関係者らが県庁を訪れ、提言書を手渡し、懇談した。

  教育分野については▽県立大による科学・技術関連学部、自然科学関連学部の開設▽日本語を学べるインターナショナルスクールの地元小学校への組み込み、部分的・全体的に単位互換可能な高校設置▽外国人学生が日本の学校に入学でき、日本語学習ができる制度確立▽ILC関連施設の見学、研究者・技術者とその家族が県内を巡る支援―を提案。

  提言では研究者らと家族が県内で快適に生活するため多言語情報の提供を強調する。研究者や技術者は英語でも、英語圏以外の国の家族がおり、配慮を求めた。具体的には上下水道、ごみ収集など公共サービスに関するガイドブックの作成、医療機関の受診や銀行利用、温泉入浴のマナーなど多岐にわたる。

  通訳のコーディネーターを配置し、本県での生活に円滑になじみ、地域に溶け込めるよう、生活上の問題解決システム構築も求めている。情報提供するインフォメーションセンター設置の必要性も提案している。

  コミュニティー・社会での生活については▽儀礼、慣習などについての説明・支援▽無料の公共施設の情報提供▽祭り、地域イベントへの参加―などを挙げた。買い物では大きなサイズの衣類・靴を販売する店舗設置なども求めている。

  輸送に関しては▽公共交通機関の充実▽新幹線駅までの交通手段の充実▽運転免許取得・自動車購入・自動車保険加入時の支援▽道路網の整備▽中心部から放射状に延びる公営バス路線の設置―について触れている。

  ルイス委員長(45)は奥州市で21年間暮らしている。懇談では「初めて来た外国人には分からないことがある。教育面では家族ら子どもも一緒に来るので、その対応が必要だ。何よりも情報が必要で、住み良いところがもっと良くなる」と主張。県立大の学部新設については「岩手がILCに関心を持っていると研究者らに伝えられる」と説いた。

  達増知事は「生活経験や体験に基づき大事な内容が示されており、改めて気付いたこともある。教育は本格的な体制を作る必要があり、県立大の位置付けも話し合って決めたい。海外の方にとって住みやすく楽しいのは、今住んでいる人にも同じことがいえる。今後ぜひ一緒に取り組もう」と応えた。


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