盛岡タイムス Web News 2014年  4月   9日 (水)

       

■  「徳清」公開 大規模改修後に初 旧師範学校部材を使用の金沢家も 森とひなまつり 12、13日仙北地区 完了記念しシンポ


     
  3月に大規模改修が完了した徳清倉庫  
 
3月に大規模改修が完了した徳清倉庫
 

 盛岡市仙北町で12、13日、民家や店でひな人形を公開する「森とひなまつり│明治橋仙北町界隈(かいわい)」が行われる。公開会場の一つが同市指定保存建造物で、10年余りにわたる改修工事が終わった「徳清倉庫」。貴重な遺産の保存と活用などを考えるシンポジウムも両日、徳清倉庫を会場に開かれる。徳清以外にも古くから受け継ぐ建物をリノベーション(大規模な改築)した旧家が、おひなさま会場になっており、過去と現在と未来をつなぐ2日間ともなりそうだ。

  仙北町は北上川の右岸に位置する盛岡城下の町の一つだった。現在の県道の主要地方道盛岡環状線沿いには昔からの商家や民家が軒を並べていた。しかし、道路拡幅工事に伴い、多くの古い建造物が姿を消した。その中でもこの地域には、徳清倉庫や金沢家(金澤林業)など古い建物を生かして使い続けているところがある。

  徳清倉庫は明治橋たもとに所在する。初代の徳田屋清右衛門が寛文年間の1660年代、この地に醸造業を興したのが始まり。8代目徳清(1826―1903)が藩の勘定所に出仕したことが端緒となり、明治に入って盛岡城の建物が解体した折、勘定奉行所御殿座敷などの建物の払い下げを受けた。9代目清右衛門の代で、その部材を使った現存する建物が建てられた。

  現代になって、県道拡幅による用地提供が現実問題に。同時に雨漏りなど建物の傷みも目に付いたことから、現在の12代目佐藤重昭さん(徳清倉庫社長)を中心に後世に引き継ぐ方策を検討し、一部解体、曳家(ひきや)を伴う大規模な改修工事に踏み切った。

  今年3月で長い事業が完了。表通りからは白壁も鮮やかな外塀と敷地内の建物の外観の一部を目にすることができる。今回は全ての改修が完了後、敷地内を一般公開する初めての機会となる。

  佐藤重昭さんは、今回の機会を通じて「盛岡にこういう建物が残っていることを市民の方に認識してもらえれば」と期待。さらに「盛岡の街は広がっているが、旧28町をどうしていくかを考えるきっかけに」と、まちづくりにも言及する。

  同時に「徳清も金沢家も良い木材を使い回して新たな建物を造り、長く使っている。シンポジウムでは林業県岩手として、木を長く使うこだわりも知ってもらいたい」と話す。

  別の会場の金沢家は旧仙北尋常小学校の初代校舎跡地。旧岩手師範学校校舎の木材を使用して1934(昭和9)年に建ててからでも80年になる木造家屋。リノベーションで長く住み続けられるようにした。

  これまで、仙北町では鉈屋町を主会場とした盛岡町家旧暦のひな祭りに参加してきた。今回、徳清倉庫の改修工事終了となったことから、仙北地域で森とひなまつり実行委員会(委員長・金沢滋金澤林業社長)を立ち上げて行う。

  金沢委員長は「旧勘定奉行所御殿座敷などを移築した徳清旧宅のお披露目も兼ね、古いおひなさまも公開する。ぜひ昔の盛岡の姿を味わってほしい」と話している。


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします