盛岡タイムス Web News 2014年  4月   10日 (木)

       

■  県内流通業 復興経済で再編時代 事業統合、県外資本に系列化


     
  大手や他業態との激しい競争の中で、流通業は再編の動きに入る  
  大手や他業態との激しい競争の中で、流通業は再編の動きに入る
 

 復興経済のもとで県内の流通業の競争が激しくなっている。県がまとめた大規模小売店舗立地法に基づく県内の大型店新設は東日本大震災津波後、2011年度4件、12年度10件、13年度11件と増加し、震災前のペースに回復しつつある。その半面、復興需要による建設費の高騰、運輸業の人手不足などが収益を圧迫し、地元スーパーには経営統合で生き残りを図る動きが出てきた。県外大手の攻勢に加えて、専門店、コンビニ、通販など業態間でもせめぎ合い、県内流通業界は新たな再編の時代に向かっている。

  盛岡市のベルグループ(遠藤須美夫社長)は3月末、札幌市のアークス(横山清社長)との経営統合、盛岡市のジョイス(小苅米秀樹社長)との合併計画を発表した。遠藤社長は「建築コストの急騰で新店を作っても、採算合わせや立地の確保が難しい条件で、最も短期間に売り上げを増やす方法として、ジョイスとの合併を考えた。ジョイス36店と当方25店で61店。岩手から宮城にかけて圧倒的なドミナント(出店)ができる」と、震災後の経済環境の変化を口にした。

  アークス傘下にはジョイスのほか、青森県のユニバース50店も経営統合しており、ベルグループのベルプラス(澤田司社長)の店舗と合わせると110店を超す。遠藤社長は「ユニバースと出店について話し合わねばならないケースも出てくる。そちらで頼む、こちらでやるなど、最終的にはチェーンの親が決める話。部分的な最善は必ずしも全体的な最善ではない」と話し、大手資本のもとでの効率化を選択した。

  ベルプラスの澤田社長は「アークスは北海道で3千億円、東北では2千億円規模。基盤ができ、北海道、青森、岩手で28%のシェアを持っているので、そこにわれわれの分が加わるとアークスとしての効率も非常に高まる」と話し、スケールメリットを求める。

  ベルプラス、ジョイス、ユニバースの地元大手3社がグループ化すれば、県内にはイオングループとアークスグループ大手2系列の店舗網が並び立つ。

  イオングループは釜石市に3月、イオンタウン釜石を開店した。イオンリテール東北カンパニーの中川伊正支社長は、「釜石の店など着実に出店を進め、まちづくりを含めて地元の企業としてやっていきたい。イオンスーパーセンターは盛岡に本社があるので、主体的に取り組んでいきたい」と話し、震災復興に歩調を合わせて展開する。

  こうした動きに対して、いわて生協の阿部慎二常務は「スーパーの業態に限らず、少子高齢化や消費税関係もあり、生き残りを考えて事業規模の拡大を図っているのではないか。土地の確保問題や少子化問題による人口減で、新たに店を建てる余地は少なくなった。流通業界に限らず、建設関係の人手不足、資材の値上がりなどの影響を受けている。生協としては地域に根差した事業者とつながりを基本的に強めて、事業を拡大していく」と話した。

  ドラッグストアの薬王堂の西郷辰弘社長は「配送やコールドチェーンの技術が進歩し、広範囲に出店できるようになった。食のライフスタイルの変化もあり、広範囲にスーパーのM&A(企業の合併や買収)のような動きが活発化してきた。われわれのドラッグストアは食品ではないから、調達は簡単にできる。家電やドラッグストアはM&Aが何年か前から盛んになっていて、それがスーパーに波及してきた」とみている。

  震災後の新規出店について「(建設費が)1・5倍ほどに上がっており、沿岸ならそれ以上に上がっている可能性がある。震災前は見積もりに対して業者がどんどん来てくれたが、今は断られる状況で、工期や期間の約束も大変。当社は東北5県で、内陸に店を作っているが、建築資材や人件費が高騰しているのは間違いない」と話しており、厳しい環境の中でも積極的に出店を計画している


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