盛岡タイムス Web News 2014年  4月   17日 (木)

       

■  〈街医者の公開クリニック〉 鎌田潤也 高血圧症


 ご質問 最近、一念発起をして「家庭血圧」を測定し始めたばかりのものです。測定する時間や記録をする手間暇は十二分にあります。適切な測定時刻や回数など、実際的な留意点・こつなどがありましたら、お教えください(75歳、男性)。

  お返事 初めて家庭血圧測定に取り組まれているご様子、素晴らしいことだと感じました。お疲れさまです。ぜひご継続していただきたく存じます。頑張ってくださいね。

  まずは、「血圧は常に変動している」ということをご認識ください。同じ時刻に同じ条件で測定しても、二度と同じ数値を示すことはないとお考えください。一回の測定の絶対値にとらわれるのではなく、一週間の平均値を気楽に計算していくのが長続きするこつです。

  最近はパソコンに取り組んでおられる方々が増えています。長期にわたっての測定記録ですから、可能であれば「パソコンを利用しての健康チェック」もお勧めです。

  さて、この時刻にこのような条件で血圧測定をしなさい、という決まりは実はありません。ただ、できる限り同じ時刻で同じ条件で測定するということが基本となります。表に、私が普段、患者さんたちにお勧めしている「家庭血圧測定の実際的な留意点」などをまとめました。ご参考になれば幸いです。

  まず、朝は起床後一時間以内の測定をお勧めしています。時間がたってしまうと測定することを忘れてしまうことがあるからです。また、食事や排尿・排便、服薬、家事による労作などの影響を少なくするという意味合いもあります。重要な「早朝高血圧」を知るためにも有用です。なお、排尿直前には一般に血圧の変動が大きいとされています。排尿前の十分時間のあるときか排尿後が望ましいとされるゆえんです。また、特に「持続性の降圧薬(長時間効果が持続する薬)」で内服治療を受けておられる患者さんには、その薬の効果をみるためにも服薬前の測定をお勧めしています。

  夜も就寝前一時間以内の測定をお勧めしています。ただ、夜は朝より種々の状況が加わっていることを認識すべきです。入浴や食事、飲酒、排尿・排便、服薬、性交、団欒(だんらん)などの有無により、全く異なる測定値を呈すことがあり、よって夜の家庭血圧は上がり下がりが比較的大きいといえます。ですから、就寝直前に測定するのが一般的でしょう。

  次に測定回数です。患者さんの中には、数回血圧を測って最も低く表れた数値を「家庭血圧手帳」に記録される方がおられます。心情的には理解できますが、測定者の意思・思惑が介入した数値で家庭血圧を論じることは厳に慎まなければなりません。私は、一回あるいは二回の測定にとどめ、その数値をそのまま記載していただくよう指導しています。実は、血圧の値は測定回数が増すに従って低く現れることが経験的に知られているのです。

  最後に一言、強調させていただきたいことがあります。それは、血圧を測定するという手段や方法、数値などを必要以上に気にし過ぎないでいただきたいということです。血圧測定の結果に一喜一憂するのではなく、気楽な気持ちで取り組んでいただきたいのです。そして、「かかりつけ医」とのコミュニケーションを図るアイテムとして、「家庭血圧手帳」などをぜひご利用ください。どうぞ、よろしくお願いいたします。
(おおどおり鎌田内科クリニック院長)


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