盛岡タイムス Web News 2014年  4月   18日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉195 草野悟 動き始めた三陸鉄道


     
   
     

 津波で破壊された吉浜海岸の修復工事が続いています。その上を三陸鉄道が走り、またその上に三陸自動車道の高架橋工事が続いています。確実に前進していることは間違いありません。

  4月5日、三陸鉄道南リアス線は、この吉浜と釜石がつながり、念願の全線復活となりました。車窓から見える以前の風光明媚(めいび)な景色はまだ先になりそうです。大型クレーン、むき出しの山肌、行き交うダンプカーを横目で見ながらの走行です。それでも海は元通りの美しい色を放っています。自慢の海産物も立派に復活しています。吉浜の名物は三陸ワカメと吉浜アワビ、ホタテ、ウニなどです。

  写真の工事現場は、明治、昭和の大津波で壊滅的打撃を受け、高台に移転した後の田畑でした。そのため人的被害が出なかった「奇跡の集落」と言われています。車窓から見える景色は不思議な感じです。工事現場の先に真っ青な海原が広がります。

  吉浜の漁師さんたちは、三鉄列車の汽笛を聞きながら生活をしてきました。沖合でワカメの収穫を夫婦でしているときに、汽笛が鳴ります。「もう4時か、そろそろやめるべか」と家路に就く準備をします。その汽笛が3年間、途絶えていました。これからは毎日、同じ時間に汽笛が鳴ります。それが当たり前の生活なのです。

  三陸鉄道の使命は「つなぐ」です。線路で人と人をつなぎ、音で心をつなぎます。その先にあるのは「笑顔をつなぐ、ずっと…」。三陸鉄道のスローガンです。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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