盛岡タイムス Web News 2014年  4月   19日 (土)

       

■ 地元の由緒 掘り起こし フリーペーパー「やさら」10年 盛岡市 乙部、黒川などエリアに 岩手日化サービス 吉田社長が取材、編集



     
  「やさら」のバックナンバーを手にする吉田さん  
  「やさら」のバックナンバーを手にする吉田さん
 

 盛岡市黒川の住宅設備会社の岩手日化サービス(吉田ひさ子社長)発行の地元情報誌「やさら」が、創刊から10周年を迎えた。同市の乙部、手代森、黒川、大ケ生の4地域の地元学のフリーペーパー。吉田社長が取材、編集し、2004年から今年4月で通巻40号となった。「遮光器土偶の発掘地」「田の沢のオシラ様」「盛岡農高の乙部分校跡地」など、縄文から昭和まで102カ所の隠れた由緒を掘り起こし、地域を見つめ直した。20日は民俗研究家の結城登美雄氏を迎え、10周年記念講演会を開く。

  「やさら」は「八皿」の意味で、自治会活動の原型のような活動を指す。都南地域の北上川東岸の一帯には、現代まで古い習俗や文化財が残っており、吉田社長は地元企業がそれらを記録する責任を感じた。A4判8n、季刊で年4回発行。地元の新聞販売店や公共施設、産直などを通じて配布している。

  吉田社長は、「自分たちがお世話になっている地域に認められるため、できることは何か考え、地域を知ることだと思った。地元の歴史が好きな人たちにお願いして、四つの地域の地元学の集まりを作った」と話し、取材対象をリストアップしたところ、続々挙がった。

  手代森の「腹切り地蔵」は腹の部分がえぐれた地蔵さま。昔、腹が痛くなる流行病があり、平癒を願って作られたという。同じく手代森に伝わる「義経の掛け軸十一面観音」など、盛岡のベッドタウン化した一帯にも伝説がいっぱい。大ケ生金山の跡地のように新しく栄えて滅びた遺構もあり、地域史の複雑な堆積が分かった。

  最新の40号には「亀茶屋の稲荷さん」「中村かまどの稲荷さん」を掲載した。吉田社長は、「今の70代以上の人に聞いても分からないこと、親や祖父母にもっと聞いておくのだったと言われることがある。今残しておかないと消えてしまう話がたくさんある。また『やさら』に載って初めて息子や孫がいわれを知ったとか、記事を弔辞に引用したという話を聞き、改めて大事に伝えていかねばならないと感じている」と話す。

  10周年講演は河東地区地元企業ネットワークとの共催で、同市乙部の乙部農業構造改善センターで20日午後2時から。入場無料。

  問い合わせは岩手日化サービス(電話696―5611)まで。


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