盛岡タイムス Web News 2014年  4月  28日 (月)

       

■  〈幸遊記〉172 照井顕 高橋渡の東京シネマ酒場


 横浜ちぐさから出た金本麻里のアナログレコードをいち早く予約して帰った高橋渡さんから、「自己紹介をかねて拙著(といいましてもこれ一冊ですが)を送らせていただきます。再見。」と書かれたメモのような手紙と一緒に届いたのは、「東京シネマ酒場」(あの名作に出合える店を酔い歩く)という単行本(祥伝社・2011年初版)。帯には「映画好きで、こだわりが強く、美酒佳肴に目のない渡さん、その飽くことなき飲み歩きに、乾杯!」と戸田奈津子さん(字幕翻訳者)。

  それは寒い2月のこと。春の温もりが恋しい季節にピッタシの内容で興味津々。とても楽しく、そしてためになった本でした。ありがとう。

  まるで、渡りに舟のごとく、開運橋という高橋を自ら渡って来た舟こそは“彼の本”。酒はふつふつと湧き立ちながら発酵するものと思ったら、彼は何と立教大学仏文科の出だったから、まるでシャレ!。ところがその奥さま紀子さんも同大学の仏文科卒なのだから、当然のフツフツはまさに駄足のダジャレのようだと1人笑い。

  高橋渡さんは僕と同じ団魂の世代で1948年9月4日、盛岡生まれ。厨川小学校、城西中学校、盛岡一高の卒。奥さまは小中高大と生粋の立教で、フランスに2年留学した方。2人は20年前に、子どもを1人ずつ持ち寄って、暮らし始めた再婚同士。渡さんは大学卒業後32年間、日本ヘラルド映画社グループに在籍、最初の仕事は「ジョニーは戦場へ行った」の雑用係。1994年には恵比寿ガーデンシネマ開館と同時にシアター支配人となり、アメリカン・ニューシネマ以降の最後の光芒(こうぼう)を放っていた時代を見届けた、いわばシネマの上映・鑑賞の達人!。

  本は友人の記者が勤めていた「内外タイムス」に、1年半連載したものを土台に1年かけて加筆したもので「酒を飲みながら見聞した楽しいことを書いた」と高橋さん。「時代と友達に恵まれたから」なのだとも。

  現在は盛岡駅前北通にある実家と、東京世田谷区を往き来しながら“3丁目の夕日”ならぬ4丁目の夕陽を背に「盛岡のバーや居酒屋。割烹(かっぽう)などを見聞して歩いてみると、そのレベルの高さに驚かされ、楽しい、素晴らしい街」と故郷・盛岡を大絶賛。歩いて見つけた本「てくり」にはまって全号そろえ、今は、実家の周囲環境がいいので東京からオーディオを運ぶ計画を立てている様子。
(カフェジャズ開運橋ジョニー店主)
 


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