盛岡タイムス Web News 2015年  1月  10日 (土)

       

■ 〈体感思観〉そば打つ胸のうち 泉山圭




 一般的に何年、何十年も修業をして一人前に打てると言われるほど奥が深いそば打ち。しかし、店を構えるならばいざ知らず、退職後の趣味にしてみたいとか、家族に自分の打ったそばを振る舞いたいなど、そば打ちの楽しみは千差万別だ。昨年末、雫石町で食の匠を講師に迎えたそば打ち教室を取材した。

  そば打ち初体験の人も多かったが、いざ、そば打ちが始まるといずれの参加者も夢中になっていた。「道具をこれから準備し、ぜひ年越しそばを自分で作ってみたい」との感想に、そば打ちの取り組みやすさも感じた。

  私は入社して今年で10年目になる。自身の原稿を検索してみると、これまで実に15回以上もそば打ちの取材をしていることが分かった。小学校の収穫祭での児童の手打ちそば作り、滝沢のそば打ち愛好者らが初心者を対象にしたそば打ち教室、ユニークなのは男性が地域に出る機会を作るため立ち上げた雫石の麺づくり教室「麺’Sクラブ」など。

  初めは、こんなパサパサとしたそば粉がそばになるのかと思ったものだ。水まわしと呼ばれる粉へ均等に水を行き渡らせる工程や生地が乾燥しない手際の良さなど、ある程度の技術はいるものの、共通しているのは楽しみながらやるのが何よりのこつのようだ。ビニール袋に水とそば粉を入れて振ることで水回しと同じ効果が得られる簡易の方法があることも取材を通して知った。

  父親がそば打ちに凝った時期があり、わが家にもこね鉢や麺棒、そば切り包丁などが置かれていた。数年前、それらの道具を使って雫石町内の知り合いとそば打ち体験をしてみたことがあった。新そばの時期に、町産のワサビを用意し、マイタケの天ぷらまでそろえた。もちろん、腕は素人なので長さは短く、太さもうどん並み。それでも打ちたて、ゆでたてのそばの味は格別だった。そば打ちに限らず、物事は楽しむことが一番の要素なのでは。


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