盛岡タイムス Web News 2015年  1月 11日 (日)

       

■ 縄文の暮らし 親子で体験 施設の魅力的活用へ試み 「石と森と星の学校」開講 滝沢市埋文センター 県立大研究室が協力

     
  「石と森と星の学校」に向け、プログラムの詳細を練る県立大の平塚明教授(左)と滝沢市埋蔵文化財センターの桐生正一さん  
   「石と森と星の学校」に向け、プログラムの詳細を練る県立大の平塚明教授(左)と滝沢市埋蔵文化財センターの桐生正一さん
 


  滝沢市埋蔵文化財センター「縄文ふれあい館」(熊谷一見所長)と県立大総合政策学部の平塚明教授の研究室は、同市で発見された湯舟沢環状列石(ストーンサークル)などの縄文文化や当時の自然環境を楽しく学ぶ、親子教室「石と森と星の学校」を2月1日から開講する。ジオラマ作りや石斧(いしおの)での伐採体験などを通して、縄文人の暮らしに触れるユニークなプログラム。地域に密着した博物館施設の魅力的な活用を考える試みでもある。

  同市湯舟沢のあすみの団地奥にある同センターは2000年4月に開館。人体をかたどった模様が付いた人体文付深鉢(じんたいもんつきふかばち)や歩く前の乳幼児の足形を取った足形付土版(あしがたつきどばん)など、市内で発掘された貴重な遺物を保管、展示している。

  隣接の史跡公園は、90年の調査で見つかった環状列石を地中に保存。地表には、そのレプリカと縄文時代の景観が再現してあり、体験型の学習が可能だ。

  これまでも、さまざまな講座をはじめ、現代アートとのコラボレーションなど意欲的な事業に取り組んできたが、地元の関心はいまひとつ。そこで、平塚教授のグループが地域課題を解決する協働研究として、プログラム開発や参加者の意識調査に協力することになった。

  プログラムは2月から9月までの全7回。初回の2月1日は、湯舟沢環状列石とそれを囲む自然をジオラマで再現。縄文人がどんな思いを込めてストーンサークルを作ったのか探る。第2回目の3月21日は、土器や埴輪(はにわ)を作りながら夕日を待ち、ストーンサークルから眺める体験をする。

  4月と6月は他県の縄文遺跡を訪ねるバスツアー(各月下旬の日曜日に予定)。一戸町の御所野縄文公園・博物館、秋田県鹿角市の大湯ストーンサークル、青森県青森市の三内丸山遺跡を見学する。

  7月は、縄文の森に育っていた木の苗の植樹と縄文人が使っていた石斧での木の伐採体験。8月は土器に残る植物の跡を調べ、縄文時代の植生を考察する。最終回の9月は奈良文化財研究所名誉研究員の岡村道雄氏から話を聞く。

  対象は、小中学生とその親、祖父母ら。定員10組。全7回の参加が望ましいが、都合のつく回だけの参加でも構わない。参加費は無料。歴史や生物学、博物館学が専門の研究者や大学生が活動をサポートする。

  平塚教授によると、国内の博物館数は増加しているものの、少子高齢化で来館者は減っている。「博物館施設を来館者の数で評価しがちだが、本来は、体験の質や深さに意味がある。施設が提供する体験プログラムの中身が問われている」と指摘する。

  「体験し、知ることで、陳列された遺物を見るだけでは分からなかった人間の生き方や自然のあるべき姿が見えてくる。世の中の見方を学んでいく面白さを子どもたちに味あわわせたい。親が一緒に博物館へ足を運び、その楽しさを引き継いでいくことが重要だ」と語る。

  同市は約220カ所の遺跡があり、県内でも有数の遺跡の宝庫。同センター職員の桐生正一さんは「若いお父さん、お母さん、子どもたちに地域の文化財に触れる楽しさを知ってもらいたい。文化財が親子の話題に上るようになってくれたら、うれしい」と願う。

  参加申し込み、問い合わせは同市埋蔵文化財センター(電話019−694−9001)。申し込みの締め切りは今月25日。


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