盛岡タイムス Web News 2015年  1月 13日 (火)

       

■  ひつじ年で熱い視線 岩手のホームスパン再発見 県内に企業や工房多数


     
  年に1回、毛刈りを行うという小岩井農場の羊たち  
 
年に1回、毛刈りを行うという小岩井農場の羊たち
 

 モコモコの毛と優しい表情。2014年末は、未(ひつじ)年の到来を前に多くの手仕事作家や美術家、ファンの間で羊が注目を集めた。羊と言えば、その柔らかな毛が魅力の一つ。そして羊毛を使った工芸と言えば、県内に多くの企業や工房が存在するホームスパンが挙げられる。未年となった2015年、ホームスパンの魅力に追った。(相原礼以奈)

  ホームスパンはイギリス発祥の毛織物。農家が羊の毛を紡いで織物を作ったのが始まりという。岩手県に伝えられたのは明治10年代。二戸郡に移住したイギリス人宣教師が、地元住民に製織法を教えたと言われている。大正期には民藝運動が起こり、ホームスパン振興はさらに進む。

  しかし、第二次世界大戦時には羊毛が軍需物資として管理されたため、生産が規制されてしまう。戦後、国内の産地が減少する中、岩手のホームスパンは伝統工芸として再興を遂げる。現在、本県のホームスパン生産量は全国生産額の8割を占めると言われる。

  本県のホームスパンの発展には、東和町(現花巻市東和町)出身の染織家・及川全三氏(1892―1985)の功績が大きい。県産植物を使った染色技術など、より良い染色法を研究し、ホームスパンを工芸の域に発展させた。

  身に着ければ軽くて暖かく、作家の手によってさまざまな色彩や風合いが生まれるホームスパン。その制作における職人の仕事を拝見すべく、及川氏のパターン復刻にも携わる植田紀子さんの織物工房(盛岡市浅岸)を訪ねた。


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