盛岡タイムス Web News 2015年  1月 16日 (金)

       

■  被災地から「防災文化」発信 三陸復興フォーラム 「阪神」も踏まえ検証


     
   三陸復興フォーラムで県内外出身者が登壇した討論会(15日、盛岡市盛岡駅西通のアイーナ)  
   三陸復興フォーラムで県内外出身者が登壇した討論会(15日、盛岡市盛岡駅西通のアイーナ)
 

 県など主催の「いわて三陸復興フォーラム」は盛岡市内などを会場に15日から始まった。全体会では達増知事が復興の取り組みを説明し、東日本大震災津波からの復興への支援継続と風化させないことを強調。17日で20年を迎える阪神淡路大震災の教訓も踏まえた基調講演、本県復興に取り組む県内外出身者の討論会が催された。16日も県内5会場で報告会が行われる。復興県土づくりシンポジウムも同時開催されている。

  達増知事は2014年12月30日現在、県内の犠牲者が4672人、行方不明者が1130人に上り「まだ3万人近くが応急仮設住宅などで不自由な生活を強いられている。被災地は今なお非常時」などと説いた。

  3月に仙台市などで開かれる第3回国連防災世界会議で「県の防災復興に対する取り組み、復興状況を世界に発信する場としたい。震災津波の経験から得た教訓・知見を世界の防災文化に役立てようと考える」と説明。

  具体的には▽地方政府による水平補完の災害支援▽多重防災型まちづくりの推進・防災文化の醸成・検証▽多様な主体が連携したコミュニティー再生▽持続可能な地域社会の構築―の4点を提言として発信する考え。

  昨年12月1日までに本県に派遣された応援職員は2383人。今年度は県に167人、沿岸の市町村などへ703人が派遣中で、自治体連携による相互支援を通じた地方分権の強化を力説。「復興はこれからが正念場。引き続き関心を寄せてもらい、一層の支援、協力を」と訴えた。

  基調講演では渥美公秀大阪大大学院人間科学研究科教授(心理学)が阪神大震災で自らも被災し、東日本大震災の復興支援に関わっている立場から、災害ボランティアについて語った。阪神大震災後に災害ボランティアがマニュアル化され、「3・11はまずマニュアルを見ていなかったか。それが初動の遅れにつながったのでは。目的は被災者支援で、ボランティアそのものではない。マニュアル化の皮肉がある」と主張。行政や専門機関にはないボランティアの役割や意義を説いた。

  討論会では復興に沿岸の各地域、分野で携わる5人が「つなげよう!続けよう!一人ひとりの復興アクション」と題して活動を紹介し、意見交換。

  神戸で阪神大震災を経験し、東日本大震災津波で大槌町に入り、コミュニティーFMに勤める清水章代さん(まちづくり・ぐるっとおおつち事務局)は神戸と大槌それぞれの震災と復興を語った。

  「神戸の復興は良いことだけではなかった。復興の進むところと進まないところの違いがあった。スピード感だけが良いわけではない。しかし(大槌町の)スピード感のなさもどうかと思う」と指摘。自らの果たす役割について話した。

  全体会には県内外から約400人が参加。16日は盛岡市のエスポワールいわて、プラザおでってなど4カ所と大船渡市を会場に報告会・復興県土づくりシンポがある。


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