盛岡タイムス Web News 2015年   1月   20日 (火)

       

■  国連防災会議 岩手の教訓、世界に提言 県が復興の実績事例化


 県は19日、東日本大震災津波被災の教訓を踏まえ、3月に仙台市を主会場に開催される第3回国連防災世界会議、先行して盛岡市で開かれる国際会議などで発信する復興に関する提言を策定し、公表した。防災・復興に関する取り組みとして17項目64事例から、他都府県からの応援職員派遣はじめ自治体間連携の体制構築など11件を柱とする提言をまとめた。達増知事は同日の会見で「岩手の取り組みで世界の防災力に積極的に貢献したい」と意欲を示した。

  提言はA4判、約70n、全5章で構成。県や震災津波被害の概要、震災津波からの復興状況、防災・復興に関する取り組み事例、提言などが盛り込まれている。

  取り組み事例は、防災が「最大規模の災害に対応した防災体制の構築」と「教育と文化による備え」で、6項目25事例ある。主な項目としては▽自治体間広域連携の受援・応援態勢の構築▽次の災害に備えた災害対応業務の標準化や共有化▽被災地支援に必要な広域防災拠点の設置―などを掲げている。

  復興の取り組みでは「災害に強いまちづくりと安全の確保」、「被災者の生活再建支援」、「多様な参画による『開かれた復興』と『地域に根ざした復興』」、「文化財保護と芸能文化の保存・継承」で11項目39事例。復興の中心的役割を担う市町村の行政機能向上や地域住民と多様な主体が連携した地域コミュニティーの再生などを紹介。

  具体的な提言としては▽自治体間で連携、補完する災害対応支援活動の制度的枠組み創設▽自治体と医療福祉関係機関などとの連携・協力体制構築▽市町村の災害対応能力向上のための県などによる業務の補完と標準化・共有化▽地域連携型の防災教育推進▽回復力・復元力(レジリエンス概念)の考え方を取り入れた多重防災型まちづくり推進▽がれきの迅速かつ円滑な処理▽地域資源の発掘・活用による持続可能な地域社会構築―などを掲げている。

  自治体間連携と災害対応支援の制度的枠組みについては、本県で沿岸まで約40`離れた遠野市設置の後方支援拠点が有効に機能したことを明記。災害時に派遣される職員への専門的な訓練や迅速な活動開始を目的にした事前の支援拠点などが対応力向上に資すると説いている。

  達増知事は「阪神・淡路大震災は『ボランティア元年』で、ボランティアが注目された。東日本大震災では自治体間の連携が大きく前進した分野。今も全国の自治体職員に支えられて復興が進められている。提言は県が震災や復興での経験に基づいた現場の生の声」と提言の意義を強調した。自治体連携の取り組み実績は、他の先進国での活動にも参考になるとの認識を示した。

  県では提言を2月にも日本語版、英語版で作成し、各国の大使館や都道府県、県内市町村に配布する予定。達増知事は3月17日の国連防災世界会議(同14〜18日)県主催シンポジウムで発表するほか、先行して盛岡市で開かれるISO社会セキュリティー専門委員会総会(同9〜13日)シンポジウムでも発信する予定。


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