盛岡タイムス Web News 2015年  9月 18日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉268 草野悟 ドッグから元気に帰還

 

     
   
     

  三陸鉄道には全部で9駅に三陸鉄道を勝手に応援する会が寄贈した「動物駅員」がいます。北リアス線、宮古駅の隣駅の山口団地駅は最初に設置したウサギ駅員4羽が着任しています。ただ設置から5年を経過し、すっかり薄汚れてしまっていました。そこで、会員の彫刻家「植野義水」先生が盛岡から軽トラックで駆けつけ、緊急入院、ドッグ検査となった次第です。薄汚れた「くたびれウサギ君」たちは、ご覧のように見違え、若さを取り戻し、ピカピカになって帰ってきました。本当の人間もそうなるといいな、という三鉄職員のささやきも聞こえてきました。

  駅のホームの待合室に、右側が「いってらっしゃいウサギ」左には「おかえりなさいウサギ」と合計4羽が手を振っています。今年は宮古では異常とも思える真夏の暑さに襲われましたが、ウサギ君たちは熱中症にもならずに、平気な顔で手を振ってくれていました。

  実は、三陸鉄道の沿線では驚くようなことがあります。現代の世の中では奇跡と思われるような出来事です。それは、こうした設置物、看板や顔出し看板、駅の待合室、トイレなど、まったく落書きやいたずら破損がありません。宮古駅前には野ざらしでAKB48の顔出し看板が設置されています。本人直筆のサインもあります。そこを高校生たちが毎日行き来していますが、まったく無傷です。それよりも時々タオルなどで看板の顔を拭いてくれる優しい心根の高校生もいます。都会では考えられません。スプレーでいたずら書きするのは日常茶飯事なのでしょうが、三陸沿岸はこうしたいたずらをする子どもたち、大人たちがいないからです。素晴らしいですね。

  当たり前が常識でなくなってきていますが、まだまだ捨てたものじゃない沿岸の若者たちに、大きな拍手を送ります。「今の若者たちは」などとは言っていけません。三陸には純情かれんで無垢(むく)な若者たちがあふれています。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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