盛岡タイムス Web News 2015年  9月 25日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉269 草野悟 絶品、カツオのにぎり


     
   
     

 今年はどうも天災のオンパレードのようです。それでも秋の味覚は着々と押し寄せてきています。高嶺の花の「マツタケ」は、今年は豊作のようで、例年以上に割安なマツタケが産直などにたくさん並んでいます。サンマは大型が多く、それでも市場価格は3割アップとか。

  そんな中、時々顔を出している盛岡市大通にある「寿司わか葉」では、ご覧のカツオの握りが登場しています。サンマ、カツオ、秋サケ、秋の庶民の味方ですね。「わか葉」の主人は気仙沼が本拠地。毎週土曜日に気仙沼に帰り、月曜の市場でピチピチのネタを仕入れてきます。その中で「譲れないネタ」にカツオがあります。その日の最高値の一番カツオをセリ落とし、意気揚々と盛岡のお店に街宣します。どうだ、と言わんばかりにネタケースに鮮やかな色合いを輝かせ鎮座しております。

  春のカツオは「初ガツオ」。9月に入ると「戻りガツオ」になります。スーパーなどでは「トロカツオ」などと称して冷凍物が並ぶこともあります。わか葉の大将が仕入れる秋のカツオは、適度な脂を蓄えた程よい赤みが自慢です。くどくなく、実にさっぱりし、やや鉄分の香り漂わせる至福の味わいとなります。普通は当然「お造り」が本流ですが、わか葉はこれを握ってしまいます。堂々とした秋の寿司ネタとして光り輝いています。目が飛び上がるような高級ネタにも引けを取らず、あくまで庶民の味方を貫き通す凜(りん)としたこのカツオの握り。大満足間違いなしの逸品です。

  ただ、若干心配なことは、へそ曲がりの大将は、気に入らないと仕入れてこないので、必ずあるかというと、ない場合もあります。がっかりしますが、仕方ないですね。自信のある一番上等なカツオを庶民価格で提供することが生きがいのようですから。ちょこんと乗った生姜と小ネギがこれまた相性がいいんですね。実に爽やか、舌の上でカツオがワルツを踊りだします。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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