盛岡タイムス Web News 2015年  10月 19日 (月)

       

■  〈幸遊記〉249 照井顕 富樫春生の天使のピアノソングス


 今年で9回目を迎えた、岩手あづまね山麓オータムジャズ祭(2015)で、それこそ結成9年のピアノとDJ・DUOの世にもまれなるサウンドに乗せて、盛岡生まれのジャズシンガー・金本麻里を鼓舞させた、オールラウンドピアニスト・富樫春生さん(62)には、06年から、開運橋のジョニー、そしてオータムジャズ祭へと、幾度となく東京から来演いただいてきた。

  3歳からクラシックピアノを習いジャズは独学という彼は、高校時代にライトミュージックコンテストの関東甲信越大会で特別賞。慶応義塾大学商学部に入学するもジャズばっかりの毎日で、そのままギターの杉本喜代志クインテットでプロデビュー。70〜80年代はスタジオワークに没頭。録音に携わった曲数は万を数え、山口百恵、松田聖子、今井美樹、SMAPなどビッグアーティストも数えればきりがない。

  バンドでは吉田美奈子、後藤次利、近藤等則などに参加し3万人規模のフェスティバルまでの経験を持つ人だが、レコードデビューは27歳(1974年)ソニーからの「チョコレート」でだった。以降37枚のリーダーアルバムを発表。中でも1月から12月までのピアノソングス。それぞれの月に似合うトラディショナル曲、唱歌や童謡。そして自らのオリジナル曲を交えて録音した12枚「1月の天使」から「12月の天使」までをシリーズ作品としてリリースしたことは、内容からして音楽史上、特筆に値するものであると僕は思う。

  「音楽をやるのは楽しいが、仕事としてのバランスは難しい」という彼。富樫さんは結局やりたいことだけをやってきて今があるのだから周りも本当の自分に目覚めてくれたらうれしいのだと。民族の起源「That I am(われは神)」本当の壁は自分の心にあり、心のあり方が変われば難なく通り抜けられるというサジェスチョン。地球人というタガを取り払って宇宙を旅するみたいな自分でいたいのだと。

  「天使が君の心をめがけて降らした雪。魂を誘い出すように舞い落ちる雪。それは哀しみを燃やし尽すための真っ白な炎。冷たい闇を照らすため天使がまいた音符の形のクリスタル(聖六角形)…」まもなく彼の詩の季節がやってくる。(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


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