盛岡タイムス Web News 2015年  10月 21日 (水)

       

■  滝沢市がカレッジ 子育てママが食育発信 学びの成果、地元スーパーで 通信も毎月600部発行 永田潤子氏(大阪市大准教授)と連携


     
  マイヤ滝沢店の野菜売り場で、旬のイモをアピールするコーナーの飾り付けをするママたち=18日  
  マイヤ滝沢店の野菜売り場で、旬のイモをアピールするコーナーの飾り付けをするママたち=18日
 

 滝沢市は、大阪市立大大学院創造都市研究科の永田潤子准教授とタイアップし、子育て中の母親と地元スーパーが協働で食育を推進する「滝沢ママカレッジ」を9月から始めた。子育てママ6人が食育や流通の知識を学び、その成果を地元スーパーの特設コーナーなどで発信する。買い物など家庭で多くの決定権を握るママたちが意識を高め、行動することで、社会をより良い方向へ変えていこうというプロジェクトだ。

  「イモは大航海時代にビタミンC不足を補った優れもの。焼くと、さらに糖度が増します」「思い出に残る家庭の味をぜひ、レシピに残して」…。同市中鵜飼の市公民館で18日に開かれた第2回ママカッレジ。シニア野菜ソムリエの小原薫さんが今月のテーマの「イモ」について講義。ママたちやプロジェクトの関係者が栄養価や調理のこつを楽しく学んだ。

  講義のあと、協力店舗のマイヤ滝沢店(杉本晃一店長、同市鵜飼)に出向き、野菜売り場の「ママカッレジコーナー」を模様替え。秋から冬にかけ献立の力強い味方になる「イモ」をアピールするディスプレーを完成させた。

  コーナーでは、プロジェクトに参加するママとパパ、同市の主任栄養士、同店の総菜担当者、薬膳料理の専門家が考案した5種類のお薦めレシピを紹介。旬の食材をおいしく活用するアイデアを伝える。

  さらに、こうしたレシピや講師のアドバイスを盛り込んだ「ママカッレジ通信」を毎月、600部発行。ふじなでしここども園、なでしこ保育園、鵜飼保育園、りんごの森保育園の園便りと一緒に配り、同世代の保護者に働き掛ける。

  プロジェクトメンバーの長瀬怜子さん(37)は小3を筆頭に4人の子育て中。「他のママたちとも情報交換でき、楽しく学べる。幼稚園や家で話題にしてもらえたらうれしい」。杉本店長も「近隣のママたちとのコラボは大歓迎。一人ひとりが力になり、一般のお客さまの関心も高めていければ」と話した。

  プロジェクトは、JST(科学技術振興機構)社会技術開発センターの助成を受けた永田准教授の研究の一環。永田准教授によると、消費者、流通販売者、生産者の関係性が薄い現代社会では、消費者は売られているものの中から選ぶことに慣れ、流通販売者や生産者も消費者のニーズをくまずに、どんどん作り、売る。三者が共に学び、新しい関係性が作れれば、地域や社会、環境にも良い影響を与えられる商品やサービス、購買行動の循環が起こせるという。

  地域の旬の食材を無駄なく、おいしく消費する購買行動は、ハウス栽培や流通にかかるコストや二酸化炭素を抑制し、地域に根差した低炭素型社会を自律的に目指すことにもつながるとしている。ママたちの活動が周囲にどんな影響を与えるか。地域の保育園や幼稚園の保護者らを対象にしたアンケートも実施し検証する計画だ。

  ママカレッジは来年2月まで続き、スーパーのバックヤードツアー、公開講演会なども予定している。同市健康推進課の駿河尚子主任栄養士は「若年層への食育の浸透は長年の課題。同世代のママたちの発信で、作って、食べることの大切さが広がってくれれば」と期待する。


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