盛岡タイムス Web News 2015年  10月 28日 (水)

       

■  いじめ、再調査で2倍に 県内の認知報告は1816件 文科省が14年度分公表 前年度からも大幅増


 文科省は27日、2014年度の児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査のうち、いじめの調査結果を公表した。7月に矢巾町で中学2年の男子生徒がいじめを苦に自殺したとみられる事件を受け、全国の学校に再調査を指示していた。国立、私立学校を含めた本県の認知件数は1816件で、調査をやり直す前の約2倍に上った。

  文科省は毎年、児童生徒の問題行動について教育委員会などを通して調査している。前年度の状況は6月に回答を得ていたが、矢巾町の事件で、学校が町教委に、いじめはゼロと報告していたため、他にも、認知されずに組織的な対応がなされていないケースがあるとみて、調査のやり直しを指示していた。

  県教委によると、再調査後の本県の公立小、中、高、特別支援学校の、いじめ認知件数は1774件(再調査前は861件)。前年度を937件上回り、過去最高だった12年度の2286件に次ぐ件数となった。

  いじめを認知した学校数と件数の内訳は、小学校197校(前年度121校)、1031件(同467件)、中学校110校(同86校)、492件(同241件)、高校54校(同40校)、162件(同120件)、特別支援学校8校(同4校)、89件(同9件)だった。

  認知された、いじめの約半数に当たる860件は教職員らが発見。このうち、アンケート調査など学校の取り組みにより発見したケースが624件(35・2%)と最も多かった。

  教職員以外の情報により発見したのは914件で、本人からの訴えが407件(22・9%)、本人の保護者からの訴えが350件(19・7%)だった。

  いじめの態様は、「冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が45・4%、「仲間はずれ、集団による無視」が16・3%、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたり、蹴られたりする」が15・5%と上位を占めた。パソコンや携帯電話での誹謗(ひぼう)中傷などは3・5%と比率は低かったが、件数は90件で、前年度の63件から大幅に増加した。

  認知されたいじめの96・7%が「解消」または「一定の解消が図られたが、継続支援中」と報告された。

  文科省は、調査のやり直しを指示した8月の通知文書で「一定数のいじめが認知されるのが自然」と言及し、認知件数が多い学校を肯定的に評価する姿勢を強調。初期段階のいじめでも、学校が組織として把握し、解決につなげることを求めている。いじめの認知がゼロであった学校に対しては、児童生徒や保護者に調査結果を公表して検証することを求めるなど、認知漏れがないよう重ねて指示した。

  県教委は、矢巾町の事件に加え、いじめの認知に関してより具体的な考え方が示されたことで、各学校での精査が進み、認知件数が増えたとみている。今後も、教職員研修の充実や命の尊厳を訴えるポスターの全学級掲示など対策に取り組むとしている。

  県教委の大林裕明生徒指導課長は「いじめの認知に関して教員のアンテナの感度が高まるよう改めて各学校に働き掛けたい。トラブルにしっかり向き合い、解消に向けて取り組むことが必要。児童生徒の人間関係づくりも呼び掛けていきたい」と話した。


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