盛岡タイムス Web News 2015年  11月 11日 (水)

       

■  障害飛び越え発進! 盛岡市の鈴木勝良さん パラグライダーに成功(山形県南陽市)


     
   パラグライダーのタンデムフライトを楽しむ鈴木勝良さん。後ろで支えるのが金井誠校長=10月15日、山形県南陽市(鈴木さん提供)  
   パラグライダーのタンデムフライトを楽しむ鈴木勝良さん。後ろで支えるのが金井誠校長=10月15日、山形県南陽市(鈴木さん提供)
 

 幼い時の交通事故で両足を失った鈴木勝良さん(65)=盛岡市湯沢東2丁目=は10月15日、山形県南陽市で、インストラクターと一緒に飛行するパラグライダーのタンデムフライトに成功した。持ち前の好奇心とバイタリティーで数々のスポーツをこなしてきた鈴木さん。また一つ夢をかなえ、諦めず、挑戦する意義をかみしめている。(馬場恵)

  タンデムフライトを受け入れたのは、南陽市にあるソアリングシステムパラグライダースクール(金井誠校長)。フィンランドで開発されたパラシュートに接続、固定できる車いす(フライチェア)を使用。パラシュートを背負った金井さん(52)が、鈴木さんを乗せたフライチェアとともに斜面を駆け下って空に舞い、約15分間、フライトできた。

  山肌をなめるように空中散歩。谷や峰など、置賜盆地の起伏に飛んだ景色が眼下に広がる。「すごい!すごい!ありがとう!」。鈴木さんは眼下のスタッフに手を振りながら何度も叫んだ。自然の中に身を置き、風を感じながら旋回する気持ち良さ。「生きていること生かされていることへの感謝が込み上げてきた」と振り返る。

  鈴木さんは51歳で本格的に水泳を始め、2003年全国障害者スポーツ大会では25b、50bで優勝。08年の宮古湾横断遠泳大会では健常者に混じり3度目の完泳を達成した。チェアスキーやスキューバダイビングも楽しみ、13年8月には念願だったスカイダイビングのタンデムジャンプにも成功。「次はパラグライダーを」と夢を温めていた。

     
  雄大な置賜盆地の上をフライトする、鈴木さんと金井校長のパラグライダー(鈴木さん提供)  
  雄大な置賜盆地の上をフライトする、鈴木さんと金井校長のパラグライダー(鈴木さん提供)
 


  金井さんのスクールにたどり着くまで、何度も断られたが、鈴木さんの夢を心に留めていた知人が、金井さんを紹介してくれた。

  「諦めずに思いを伝えていると、必ず見ていてくれる人がいて協力者が現れる。その気になれば道は開ける」と鈴木さん。「今まで自分の力だけでできたことは何一つない。周りの人に授けてもらったもの。本当にありがたい」と感謝する。一つの挑戦が新たな仲間を呼び、次の目標に向かう力にもなるという。

  金井さんは、健常者と障害者の「心のバリアフリー」を実現するため、何ができるのか考えていた。障害者のフライチェアでの飛行は鈴木さんで2例目。フライチェアの車輪を独自に改造するなど試行錯誤のうえ迎えた。

  「障害があっても、空を飛ぶ夢を持っている人はいるはず。諦めてほしくない。一人ひとりの体の状況にもよるが、できる限りの応援はしたい」と話す。講演会などで、子どもたちと向き合う機会も多い鈴木さん。生きることの素晴らしさを伝え続ける。


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