盛岡タイムス Web News 2015年  11月 13日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉276 草野悟 三鉄に最年少運転士の誕生間近


     
   
     

 小さい頃から三陸鉄道に乗るのが大好きで、高校通学はもちろん「三鉄」。高校時代は交通安全委員会の会長を務め、そして憧れの三陸鉄道へ入社。三陸鉄道一筋の人生がスタートしました。20歳まで三陸鉄道はずっとそばにありました。夢は運転士。鉄道会社の運転士は、20歳にならないと試験(国家試験)を受けられません。下積みを2年間続け、ようやく運転士へチャレンジです。学科試験は合格しました。次は11月26日の実車運転の試験です。これに合格するとめでたく「花の運転士」となります。

  沢里君の勤務先は、久慈にある三鉄北リアス線運行部です。怖そうなおっさんたちがうじゃうじゃいる職場です。「小田部長や櫛桁さんも中田さんも怖く…ありま…せん」と震えて答えました。そんな先輩たちに支えられ、毎日訓練に励んでいます。

  兄弟3人で長男。見た目は末っ子のようですが、兄貴として自慢できる立派な運転士となり、地域のために頑張るぞ、と強い志を抱いています。特に免許を持たないお年寄りにとっては、なくてはならない三陸鉄道です。そうした弱い立場の人たちを支えていきたい、という夢が入社の一番の理由でした。

  ところが、三鉄北の運行部は、屈強なお年寄りばかりでした。がっちりした体格、するどい目つき、ぶっきらぼうな声の先輩たちばかりです。施設を担当する先輩たちは、列車を安全に快適に走らせるため、早朝から夜中まで線路の上で作業を続けています。嵐や地震、大雨、大雪などの時は点検や倒木の処理など想像を絶する作業に取り組みます。そうして安全を確認したあとに運転士が走らせます。そういう現場を2年間見てきました。怖いけど優しい先輩たちです。

  運転士に合格すると、若葉マークで2、3カ月先輩運転士に付いて実務の勉強と訓練をします。独り立ちはおそらく来年の4月。全線再開通3周年に誕生します。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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