盛岡タイムス Web News 2015年  11月 14日 (土)

       

■ 震災被災者 盛岡定住の意向が増加 もりおか暮らしのアンケート 住宅再建7割めどなく


 盛岡市は東日本大震災津波で市内に避難している被災者を対象にした2015年度もりおか暮らしのアンケートの集計結果を公表した。これからの住まいの考えについて、盛岡市への定住の意向を示した世帯が13年度37・8%、14年度42・2%、15年度53・2%と増加。もりおか復興支援センターが8月に実施した聞き取りでも同様の傾向が出ており、時間の経過とともに内陸での生活を考える世帯が増えていることがうかがえる。

  アンケートは、市内のみなし仮設住宅に入居する304世帯の代表者・世帯主を対象に10月9日〜同28日に実施。回答数は180世帯で、回答率は59・2%。13日開催の東日本大震災盛岡市復興推進アドバイザリーボードで、市が報告した。

  これからの住まいの考えで、最も多かったのは「盛岡市内で賃貸住宅」39・2%、「盛岡市内で住宅再建」14・0%、「地元で住宅再建」9・4%、「地元で賃貸住宅」8・8%。未定も26・9%に上る。同センターの聞き取りでは、盛岡に残る・残らざるを得ない世帯の主な理由は、盛岡での仕事の定着や地元での就職の困難さ、子どもが地域や学校に慣れたこと、医療機関や移動手段の便利さなどが挙げられた。

  一方で、住宅再建のめどは、70・1%が場所・費用ともにめどが立っていない状況で、14年度比で16ポイント上昇した。市のアンケートの自由記述にも「盛岡での住宅再建を考えた場合、資金がなく、ローンを借りるにあたっても若くはないので借りられるかどうかという問題もあり、なかなか前に進まない」などの意見があった。

  暮らしの状況については、「やや困っている」「大変困っている」を合わせ74・0%(14年度78・8%)が困り事があると回答。困り事や心配事の内容は、「みなし仮設の入居期間」が69・9%(同70・6%)と最も多く、次いで「健康」47・7%(同47・1%)、「生活費」41・2%(同47・7%)、「住宅再建」39・2%(同46・4%)などとなっている。

  相談相手については「別居している家族・親類」が53・5%と最も多く、「同居の家族」34・4%と続く。14年度比では「友人」が11・9ポイント減の22・3%、「特にいない」が6・9ポイント増の20・4%。「特にいない」と回答した世帯の世帯人数は、1人13世帯(同7世帯)、2人12世帯(同8世帯)、3人6世帯(同1世帯)と、孤立が若干顕著になってきている。

  自由記述では、「今はみなし仮設で家賃がないが、これから今の収入だけで生活できるか心配」「みなし仮設の期間が終了した場合、今の場所での生活は困難になり、地元に帰ったとしても仕事がなく心配」「みなし仮設の期間が終了した際の今後の生活が不安でイメージできない」など、みなし仮設の期間終了後の不安が目立った。

  東日本大震災盛岡市復興推進アドバイザリーボードで、同センターの金野万里センター長は「盛岡に定住すると言っている人は確実に増えている。今はみなし仮設に住んでいるが、ここが住めなくなったときは盛岡か地元かに家を建てることができる人、どちらで暮らしてもしんどい人と、二極化している」と指摘した。

  市では、同センターなどを通じて、市内に避難している被災者の一日も早い生活再建に向けた各種相談や情報提供の実施、サークル活動やサロン活動を通じた避難者の生きがいづくりの場の提供などを実施していく考え。
 


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