盛岡タイムス Web News 2015年  11月 16日 (月)

       

■  〈幸遊記〉253 照井顕 革命的発想の逆溝レコード


 昔から11月3日は「文化の日」と決まっているが、最近は「レコードの日」とも言うらしい!文化を代表するものがレコードであるとしたのなら、1978年30歳の時に意を決してレコード制作を始めた僕にとってはなおさら、うれしい呼び名となった。

  2015年11月4日、FM岩手、石田麻衣アナが読み上げた3日付読売新聞トピックス「アナログレコードの人気がじわりと復活しています。デジタル全盛の時代に温かみのある音色が見直され、若い世代にも愛好者が広がっています…。昨年8月には東京渋谷にレコード店が復活、8万点の品ぞろえ。レコードプレーヤーと一緒に買い求める人たちも…」。

  1877年12月6日「メリーサンノヒツジ」と歌ったエジソンの声が、彼が書いた設計図に従ってジョン・クルーシーが作った“円筒式錫箔録音再生装置”から流れ出たことに端を発するレコードの歴史。だがその8カ月前、パリの科学アカデミーに詩人・シャルル・クロが提出した封書の中にはエッチング的な写真技術を使った平らな円盤で、複製すら可能な現レコードの祖となるようなアイデアが書かれていたという。

  実際に平盤型が考案されグラモフォンと名付けられたのは10年後の1887年。現在のLPレコードは1948(昭和23)年からで、ピーク時1980年は約2億枚をプレス。82年登場のCDは5年でLPを抜き、各メーカーは一斉にレコード製造をやめたが、唯一残ったレコード生産工場「東洋化成」(横浜)は今、フル稼働しても追いつかぬほどの勢いを取り戻しているという。レコード針のナガオカ(山形)で今、月産20万本近い生産という。

  そして今夜(2015年11月13日)ジャズファン、牛崎隆さん(68)が持参したLPに驚き、その再生音にド肝を抜かれた。ジャケットには「oreloB」のタイトル。逆から読むとあのモーリス・ラベル作曲の「ボレロ」であった。何とそのレコード、信じ難いことに内側から外側へ向って溝が刻まれている。これまでのレコードとはまったく逆の発想でドイツで製造され、「TACET」が発売した、カリオ・リッジ指揮、ネザーランド・フィルハーモニックオーケストラの演奏。録音は2012年3月、4月。理にかなった史上最高の再生音に大感動!!
(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


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