盛岡タイムス Web News 2015年  11月 20日 (金)

       

■  24年ぶり亀の子つき唄 雫石高郷土芸能委員会 長老と映像頼りに復活 お披露目は23日 無形文化財芸能祭


     
  本番に向け亀の子つき唄の練習に励む雫高郷土芸能委員会の生徒  
  本番に向け亀の子つき唄の練習に励む雫高郷土芸能委員会の生徒
 

 県立雫石高の郷土芸能委員会は、23日開催の第58回雫石町無形文化財芸能祭で、同町御明神の「亀の子つき唄」を24年ぶりに復活させる。亀の子つき唄は、歌いながら約60`の石を男女8人で持ち上げて落とす伝統芸能。住家の土間の土を固めるために行う作業で歌った歌だが、担い手が絶えていた。同町無形文化財保存会が復活に取り組み、同保存会所属の同校郷土芸能委が代表して演じる。

  同校郷土芸能委は12月20日に京都府で開かれる第4回全国高校生伝統文化フェスティバルにも2年連続で参加。同校郷土芸能委の生徒18人は全国大会で踊る上駒木野さんさ踊りと、同芸能祭に向けた亀の子つき唄の練習に励んでいる。

  芸能祭本番が目前に迫った18日の夕方、授業を終えた同委員会所属の生徒が野菊ホールに集まってきた。前日までテスト期間だったため、久しぶりの本格的な練習となった。保存会の人が見てくれるため、委員はかすりの衣装を着て本番さながらの練習をした。

  委員の一人が「ハァ、エー。音頭とります。掛け声頼むぞぇ。ヨーエーサエー」と掛け声を掛け、亀の子つき唄の練習が始まった。

  本物の石は同町御明神の多賀神社にあり、公演では木で作った舞台用の石を使う。石に巻き付けたロープは全部で8本。うち2本は男が担当。2年の小田切剛志君と村崎拓斗君が腰を低くしながら、石を持ち上げて落とす。その周りを女子生徒が囲み、男子生徒と一緒に石を持ち上げ時計回りに回る。前半5番、後半5番まである歌を歌いながら石を地面に落とし続けた。

  亀の子つき唄は、同町役場が町内の古いビデオテープなどをデジタル化する事業の中で見つかった。映像を見て、同保存会の有志が身振りを教え、歌を知っていた同町御明神の石山昭代さん(86)が実際に歌を教えた。練習では「もっとおっとりしゃべった方がいい」、「とっくりから本当に水を注ぐようにしたほうがいい」など完成に向けた指導をした。

  石山さんは「皆さん(歌が)上手になってきた。きょうはかすりの着物でやっているが、よく似合う」と自身もやっていた光景に目を細めた。

  練習を見学した同町教委の米澤稔彦社会教育課長は「想像以上の出来。現代の子どもたちが、昔の言葉を正確に使って歌っている。大したものだ」と感心した。

  顧問の阿部恵子教諭によれば、同校郷土芸能委はメンバーが欠けても上演ができるように、全ての生徒ができるようにしている。1年の細川拓斗君は、亀の子つき唄に参加しないが練習を経験。他の伝統芸能も、先輩が後輩に教え伝えるため1年生から覚える。

  亀の子つき唄を行う2年と1年の生徒は、完成に近づいてきたと手応えを感じていた。3年の岩井結香委員長と藤平和也副委員長は、その様子を頼もしくなったと見守った。

  岩井委員長は「(後輩たちは)うまくなっていると思う。卒業したらさんさ踊りなどに関わることがなくなると思うが、仕事が休みの時に学校で教えていきたい」と卒業後も関わりを持ちたいと言う。藤平副委員長は「これからも続ける。まだまだ自分は先輩方に及ばないが、確実に成長していると思う」と話した。

  同芸能祭は午前9時から午後3時10分まで野菊ホールで。問い合わせは同課(電話692│6413)へ。


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