盛岡タイムス Web News 2015年  11月 23日 (月)

       

■  〈幸遊記〉254 照井顕 宮城健の東北ジャズ喫茶応援


 今年(2015年)8月「さんさ踊りを見に行ったのですが、店に寄れず残念でした」。とメールがあった翌日の13日、1冊の本を「宮城健さんから預かってきました」と店に持参してくれた方がいた。その本は「奈知安太郎画集」で1979年6月、奈知安太郎画集刊行会、吉田孝吉代表が出版したもので第119番のナンバー入り。「僕が持っているより、ジョニーにある方がよろしいかと…」とメールも届いていた。奈知安太郎さんという人は1909(明治42)年、盛岡仁王小路生まれの画家。橋本八百二、松本竣介、野村千春、栗木幸次郎、藤田嗣治、草野心平、シャガールらと親交を結んだ洋画家で裸婦や裸婦の群像画を得意とした方。

  その中にある裸婦習作2点のモデルになったという人に、ある時仙台で出会った宮城さんが、古書店を探し歩いて10年前に見つけたものだったという。そのモデルさんは八戸出身で学生時代に盛岡でのこと、その女性の祖父は宮澤賢治からのはがきを持っていた人で、そのはがきを彼は彼女に見せてもらい、コピーも取ったと自慢する。

  その宮城さんは宮城県生まれの父母の間に1944年5月11日東京にて生まれたが、誕生から45日後に兵員として父が出征したため、宮城県塩釜市で育てられた。終戦後戦死したはずの父が戻って来て94歳まで生きたのと笑う。彼は仙台商業高校を卒業してサントリーに就職。宣伝、営業、物流の仕事に携わりサミーディビスJrのホワイト、オールドのCM音楽、トリスのジャズゲーム、などなどCM撮りの場にもいたので音楽と美術に親しむようになり、ジャズに興味を持ったという。

  3・11の震災後には音楽家協会が東北のジャズを応援しようと開いたコンサートを聴き、パンフレットに載っていたジャズ喫茶の全てを回って歩いてみようと、何度も東北に足を運び、それこそ仮設で再開した陸前高田のジョニーへも行ってきましたよ!と笑う宮城さん。開運橋のジョニーにも何度も何度も足を運んでは、各地のジャズ喫茶の状況を写真とともに知らせてくれる根っからのジャズファン! そのミヤギケン、テルイケンのケンケン遊びは古くて、懐かしく、新しくて、楽しい。
(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


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