盛岡タイムス Web News 2015年  11月 29日 (日)

       

■ 盛岡市 財源不足で財調活用へ 5カ年の中期見通し示す 20年度まで


  盛岡市は、目指すまちづくりの実現や市民サービスの質の維持向上に向けた安定した財政基盤を確保するため、2016年度から20年度まで5カ年の中期財政見通しを公表した。これまでの財源確保や事業の見直しなどを継続しても、財源の大幅な不足が見込まれる厳しい見通しで、市は不足財源について財政調整基金の活用を見込む。24日の市議会全員協議会で市財政部が説明した。

  市財政は、東日本大震災津波発生後の影響からは徐々に脱し、市税は増加傾向に推移してきたものの地方交付税が減額されたほか、社会保障費は継続して増加するなど厳しい財政運営を強いられる状況が続く。

  今後の財政見通しは歳入について、市税は16年度以降は法人税の税率引き下げに伴う法人市民税への影響や経済の回復基調に伴う設備投資の状況などを踏まえ、ほぼ横ばいで推移すると見込む。地方交付税・臨時財政対策債は、合併自治体への普通交付税の算定の特例期間が15年度で期限を迎えるため16年度以降は普通交付税の段階的な縮減の影響で減少が見込まれる。

  国・県支出金は、国庫支出金が扶助費の増に伴い増加見込みで、県支出金はいわて国体の開催補助金がなくなるため17年度に減少し、その後は横ばいで推移する見込み。市債は、国体関連施設の建設による通常債の増加が15年度までで終わるため、16年度以降は普通建設事業費に応じて減少し、その後横ばいで推移する見込み。新規市債発行額は、総合計画の実施計画に定める臨時財政対策債を除き歳入歳出の8%以内の借り入れとなるよう見込む。

  歳出では、人件費は16年度以降、ほぼ横ばいで推移すると見込むが、現在作業中の職員定数の適正化計画の策定および実施に伴い変化する。扶助費は、15年度からの子ども・子育て新制度に係る認定こども園への運営費給付等の事業実施により児童福祉費の増額が見込まれる一方、児童手当は少子化の影響で減少を見込む。社会福祉費は障害者への介護給付等の増加で増額を見込み、その他は生活保護給付の増額等を見込む。

  公債費は、インターハイ関連施設などの大規模事業に係る償還終了が一段落し、通常債の償還額は緩やかな減少傾向で推移するが、16年度以降は臨時財政対策債の償還額が増加するため、全体では増加を見込む。普通建設事業費・補助費等・操出金は、普通建設事業費は15年度および16年度でアイスリンク整備事業や総合アリーナ整備事業等の終了に伴う減額後は公共施設長寿命化計画の施設改修事業等も含め横ばいで推移。補助費等は国体開催に伴う実行委員会補助金があるため16年度にピークを迎え、その後は減少する見込み。操出金は介護保険費特別会計への操出金の増加が見込まれる。

  20年度までの財政見通しは、財源の大幅な不足が見込まれ、財政調整基金の活用を見込む。財政調整基金の推移見込みは、15年度の102億円から20年度には38億円と64億円の減少が見込まれる。市債残高は、通常債、臨時財政対策債を合わせて15年度1320億8500万円が20年度には1313億5300万円とほぼ横ばいに推移すると見込まれる。

  市は今後の財政運営について▽安定した自主財源の確保▽民間資金等の活用▽市債の抑制▽基金の活用▽総合計画および新市建設計画の着実な推進−の視点で収支均衡に向けた取り組みを行う考え。

  安定した自主財源の確保では、コンビニ収納などによる収納率の向上、未利用土地や処分可能な商業・業務用地の処分、使用料や手数料の見直し検討、ネーミングライツなど新たな財源の確保などに努める。

  民間資金等の活用では、公共施設の整備や維持更新、市民サービスの提供に当たって業務の効率化やサービスの質的向上、財政負担の軽減が図られるようPPP、PFIなどさまざまな公民連携手法を検討する。基金の活用では、財政調整基金について決算状況を踏まえながら公共施設の長寿命化計画事業の推進に対応した組み替えや取り崩しなど適正な基金運用に努める。


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