盛岡タイムス Web News 2015年  11月 30日 (月)

       

■  〈幸遊記〉255 照井顕 「十音のラッパ式電気蓄音機」


 FMチューナー、Wカセット、レーザーカラオケ、CDプレーヤー、AVアンプ、スピーカーなど、かつて主人が使っていたものを自分でも鳴らしてみたいと、俳人の菊地十音さんに頼まれて、それらのステレオ・システムのメンテナンス修理をし、簡単に使えるようセッティングし直したら「こういうものもあるんです」と持ち出してきたのが、なんと蓄音器!

  その立派な美しい姿に見ほれていると「持っていって!」というので頂戴してきた。それは、1900年代初頭に一世を風靡(び)したラッパ式蓄音器を、桜材を使った本体と10枚の真鍮(しんちゅう)材を張り合わせラッパを手工復元した1973年製電気蓄音器。とても音がいいのにビックリ!

  僕は自分の店の音響システムでも、78回転のSP盤も聴けるようにしてあり、兄が集めていた昔のラッパ式蓄音器も1台もらってきて時折鳴らしてはいるのですが、電蓄の音はとても気に入った。興味を持ったお客さまには1曲かけると感激してくれる日々。このラッパ式電蓄はリムドライブ方式でセラミックカートリッジを使用。最大出力5h、重さは7`。そこはかとなく時代を感じさせる。

  僕が持っているSP盤レコードは昔日にもらったものがほとんどですが、最近もチョコチョコくれる方がいて、その数300はあろうか!だが、その半分以上は、かつて「おじいさんが聴いていた浪曲ですよ」と、店に来るたびに、10枚、20枚と持参してくれたのがこの電蓄をくれた菊地十音さんこと章子さんでした。おじいさんが使っていた立派な蓄音器は、小屋に置いていたら、雨漏りで駄目になってしまっていたことから、亡くなられたご主人が、この復元されたラッパ式電気蓄音器「グラフォフォン」を買ったものだったという。

  あらためて聴き直した川田義雄の「浪曲セントルイスブルース」、サッチモの「ニューオリンズ」、大西玉子の「外山節」、美空ひばりの「あきれたブギ」、島倉千代子の「りんどう峠」、織井茂子の「黒百合の歌」などに気持ち新た。2015年11月25日付朝日新聞には、20代〜30代を含む全世代でアナログレコード(LP)の人気が再燃し、TOKYO-FMは10月から「アナログ、ガラパゴス」という番組を始めたとあった。
(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


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