盛岡タイムス Web News 2015年  12月 10日 (木)

       

■   影響度合いを県が分析 TPP大筋合意 米、牛肉など「下落懸念」


 県は9日、県議会にTPP協定交渉大筋合意で想定される本県農林水産業への影響について報告した。政府が公表した政策大綱などから現時点の価格における影響度合いなどの中間取りまとめ。影響額などについては政府が年内に公表予定だという経済効果分析の結果などを踏まえ、詳細な分析を進める考え。重要5品目では米、牛肉、豚肉、乳製品で価格が下落する懸念があると評価されている。

  米は「安価な米の輸入が増大し、流通量が増加した場合には業務用米を中心に国産価格の下落が懸念される」と大綱の分析に沿った影響を評価。県内の産出額は2013年度で600億円と全国10位となっており、生産量は30万dある。

  牛肉は肉用牛の県内産出額が200億円で全国6位の現状で、「安価な牛肉の輸入が増大した場合には輸入牛肉と競合する乳用種や交雑種などを中心に国産価格の下落が懸念される」と分析。豚肉は県内産出額274億円で全国7位の地位を占める中、「安価な豚肉の輸入が増大した場合には国産価格の下落が懸念される」とみている。

  乳製品については生乳の県内産出額214億円で全国6位。「北海道産加工原料乳が都府県の飲用向けに供給される場合には価格下落が懸念される」と分析。一方で新設の脱脂粉乳、バターの輸入枠については過去2年間の追加輸入量の範囲内で「当面影響は小さい」と見込んでいる。

  小麦については「生産量のほとんどが県内製粉業者との結びつきにより生産・出荷されており、当面影響は小さいと見込まれる」と評価。国の影響分析では「輸入枠増大は見込み難いがマークアップ(政府が輸入時に徴収している売買差益)削減に伴い国産麦の価格に影響を及ぼす懸念」が示されている。

  重要5品目以外では、関税が即時撤廃されるキュウリやトマトなどの野菜のうち生鮮・冷蔵は、もともと関税率が低く、鮮度保持技術が求められることから「当面、影響は小さい」と見込む。

  冷凍についてもTPP交渉に参加していない中国などからの輸入がほとどんで、当面の影響は小さいと見込まれる。ただし県は、関税撤廃後、輸入相手国が変わる場合もあるとして動向を注視する考え。鶏卵や鶏肉、水産品のうち海藻類も同様にTPP交渉参加国の輸入量が少なく、同様の評価となっている。

  その他の水産品や製材については価格の下落を懸念。リンゴなどの果実は品質面の差別化で影響は小さいと見込まれた。


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