盛岡タイムス Web News 2016年  1月 20日 (水)

       

■  非常事態想定して連携 国民保護法図上訓練 県、盛岡市など12機関参加 


     
   国民保護法上の体制移行などについて参加機関が確認した図上訓練  
   国民保護法上の体制移行などについて参加機関が確認した図上訓練
 

 テロを想定した県国民保護共同図上訓練は19日、盛岡市内丸の県庁と同市役所で展開された。計12機関団体から約250人が参加した。同市内で国際テロ組織による爆破事件で多くの死傷者が出たなどと想定。市や県が主体の救助、避難などの対応から、国家的非常事態として国主導の体制へ移行した後の対応について、参加機関による連携が試された。県では訓練を通じて課題を浮き彫りにし、今後実働訓練にも取り組む考え。

  訓練の想定は、国際テロ組織による爆破事件がJR盛岡駅構内や駅前広場で午後1時に発生。その後、武装した犯行グループ5人のうち3人がアイーナに人質3人を取って立てこもり、うち2人が逃走を図ったとの内容。

  参加機関は市、盛岡地区広域消防組合消防本部、県警、陸上自衛隊第9特科連隊など。爆破事件を契機に、県はテロ災害対策本部、市は盛岡駅爆発事件対策本部を設置した。

  この段階では災害対策基本法に基づき、市は広域消防応援隊、医療チーム岩手D│MAT派遣、自衛隊災害派遣、緊急消防援助隊を要請。近隣住民らの避難誘導、避難所開設などを行った。県警は爆発物がNBC(核・生物化学兵器)でなく通常爆弾と確認した。

  その後テロ組織の犯行声明があり、消防庁を通じて国民保護法上の「緊急対処事態」として国が認定する可能性について連絡が寄せられた。午後3時5分に臨時閣議で認定され、県は同25分に緊急対処事態対策本部、盛岡市は同20分に同本部を設置した。

  犯人が逃走中であることから、県は県民に不要不急の外出を控えるよう警報発令を国から指示を受けた。市と連携して盛岡駅西口の一部で避難措置も指示された。市も国民保護法に基づく避難所対応を図ることになった。

  県総務部の小向正悟総合防災室長は「自然災害は市町村が基本で、さらに広域的な応援には県も含め自治事務として、県・市町村主導で取り組む。国民保護、テロ対策の規模では国家の非常事態、国民保護法の枠組みの中、国が指示をし、県・市町村が現場の状況を伝えながら連携を密に同法の下で取り組む」と説明した。

  「今後図上だけでなく実働的な訓練も機会を捉えながら重ねる。そのために今回の訓練を通じて課題を明確にしたい」と述べた。

  越野修三岩手大地域防災研究センター教授は前回5年前の訓練に携わった立場で会場を視察した。「緊急対処事態認定の前後の対応が変わる認識をしっかりと持っていないと住民の安全や避難は難しくなる。情報や指示が全て国からになり、県は伝達役になる」などと訓練の重要性を強調した。


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