盛岡タイムス Web News 2016年  1月 26日 (火)

       

■  〈おらがまちかど〉86 盛岡市 永井地内 伝統の味に創意工夫 吉田信子さん 健康回復へ手作りゆべし(相原礼以奈)


     
  切ったゆべしを持つ吉田さん。「近所の人たちにも喜んでもらえている」  
  切ったゆべしを持つ吉田さん。「近所の人たちにも喜んでもらえている」
 

 軒下に連なる「逆てるてる坊主」型の包み。盛岡市永井の吉田信子さん(78)が自宅で作る「ゆべし」である。「ゆべし」といっても東日本で広く知られる餅菓子ではなく、ユズの皮にみそやクルミなどを詰めて蒸し、1カ月ほど干して完成させる珍味のこと。重度ではないがパーキンソン病を持つ吉田さんは、長年の目標だったゆべし作りに成功し、さらなる研究・改良を目指している。

  吉田さんがこの料理に出合ったのは1986年。婦人向けの本で見つけて興味を持ったが、働いていたことや屋外に干す必要があることから作ることはかなわなかった。「和紙に包んでつり下げることが気に入った」と振り返る。昨年10月に現在の家に引っ越したため、12月に初めて挑戦したという。

  吉田さんはゆべしに西京みそ(白みそ)と赤みそを使用する。1カ月ほど干したユズの皮はオレンジ色っぽくなり、みそのしょっぱさにユズの香りが絶妙。冷蔵庫で1年ほど保存可能という。おせち料理の一品として作り、息子や孫たちから好評を得た。近所の知人らにも分けると、珍しいものと興味を持つ人もあった。

     
  ゆべしを軒下に干す様子。古くから西日本などに伝わる方法という  
  ゆべしを軒下に干す様子。古くから西日本などに伝わる方法という
 


  料理だけでなく、園芸や編み物、コーラスなどいろいろなことに興味の持って活動している吉田さん。「パーキンソン病は人の中で笑ったりしないと治らない。病気に負けないよう、いろんなことをやろうと思っている」と前を向く。「これからは、くり抜いたユズを活用する方法を研究したい。寒くても育つユズの木があると聞いたので、自分でユズも育てたい」と意気込んでいる。
   (相原礼以奈)



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