盛岡タイムス Web News 2016年  2月 8日 (月)

       

■  成長のシュプール新た 小学生教室に派遣 ゲレンデに安全と活況を 県勤労者スキー協議会


     
   「斜面でもしっかり止まれるように」とスキー初心者の児童に丁寧に指導する佐々木テイ子さん(左)らと山王小の児童ら  
   「斜面でもしっかり止まれるように」とスキー初心者の児童に丁寧に指導する佐々木テイ子さん(左)らと山王小の児童ら
 

 県勤労者スキー協議会(県スキー協・佐藤静雄会長、会員約100人)は、県内の小学校のスキー教室にボランティアで会員を派遣し、スキー学習の安全な実施を支えている。スキーの指導協力者(ボランティア)の確保に苦慮している学校もあることから、この数年で依頼が増加した。県スキー協副会長で指導員の川村勝さん(73)=盛岡市=は「岩手の子どもたちがスキーの楽しさを味わわないのはもったいない。スキー人口の裾野を拡大するためにもスキー学習への支援は人的、経済的にも必要だ」と話す。(藤澤則子)

  盛岡市や近隣のスキー学習実施校の多くは、1月下旬から2月上旬にかけてスキー場で授業を実施。事前に校庭などで基礎練習を行うが、他団体など多くのスキーヤーがいるゲレンデでの事故を防ぎ、児童のレベルに応じた指導をするためには相当数の指導者・協力者(教職員、保護者・地域ボランティアら)の配置が必要となる。

  県スキー協は、全国スキー協(栗岩恵一会長)の地方スキー協として発足し31年目。スキー教室への派遣は、元教員の川村さんが10年ほど前から個人的に応じてきた。数年前、知人のスキー場経営者を通してスキー教室の指導者不足の声を聞き、川村さんが窓口となって会として派遣するように。14年度は42人を派遣し、今年度は今月12日までの20日間に延べ53人を派遣する予定だ。

  5日も雫石町内などのスキー場で各校のスキー教室が実施された。佐々木テイ子さん(県スキー協会員)らも児童の安全や体調に気を配り「まずはしっかり止まれるようになろう」など声を掛けながら少人数の班編制で指導した。

  3〜6年まで103人のスキー教室を実施した山王小の藤谷真紀子校長は「地域や保護者の皆さんの協力もあり33人で指導にあたることができた。『指導者の後方を滑らせる(自由滑走はさせない)』など安全面は徹底しているが、より安全な学習のためにはレベルに応じた少人数指導が必要。県スキー協の方々の支援は心強い」と話す。

  県スキー協では、「冬の学校」と題して八幡平市での2泊3日(近年は1泊2日)のスキー行事を25年続けてきたが、参加児童の減少で今年度初めて中止となった。

  川村さんは「国内のスキー人口は90年代の1800万人をピークに減少し700万人台(近年は横ばい)といわれる。学校のスキー学習はスキーに触れる絶好の機会であり、それを逃すと将来にわたってスキーの技術を習得する機会が少なくなるのでは」と言う。

  授業で使うスキー用具一式を各家庭の負担で準備している現状にも触れ、「スキーレンタル料の一部を公的に補助するなど、岩手県独自の支援があってもいい」と提案。同時に、児童も大人も安全にスキーを楽しみ、正しい基礎を身に着けてもらうため、「県スキー協で毎年実施している子どものスキー指導研修会の参加を、来年度以降は教員にも呼び掛けていきたい」と話している。


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