盛岡タイムス Web News 2016年  2月 9日 (火)

       

■  〈おらがまちかど〉88 盛岡市 東山地内 世相ひねって街うるおい 元小学校長の川村勝さん 自宅の塀に時事川柳


     
  地域に時事川柳を紹介し10年になる川村勝さん。「町内会に潤いが生まれればうれしい」と言う  
  地域に時事川柳を紹介し10年になる川村勝さん。「町内会に潤いが生まれればうれしい」と言う
 

 「川柳を通して社会が見える。くすっと笑ってもらうことで町内に潤いが生まれ、社会に関心を持ってもらえれば」。盛岡市東山2丁目の元小学校長、川村勝さん(73)は、通りに面した自宅の塀に「時事川柳」の掲示板を設け、日々新鮮な川柳を紹介している。2006年から始め、今年で10年になった。

  毎朝掲示する川柳は4句。一般紙や年金受給者向けの新聞、雑誌などから選び、二句ずつ入れ替える。「通勤や散歩のついでなど、人によってここを通る時間はまちまち。この方法なら『見逃した』ということがない」と、にっこり。

  ちらしの裏面を活用した短冊に書く川柳は、家庭や職場での悲喜こもごもを十七文字に託したもの、政治、社会問題に関するものなどさまざま。小学校教諭として長年子どもと親に接してきた経験から、「6人に1人の子どもが貧困など政治のひずみが表れている」と、子どもの将来や命に関する問題から目を離さない。

  川村さんは紫波町出身。古館小校長を最後に03年3月に定年退職し、06年4月に滝の下町内会(佐藤潤次カ会長、210世帯)の役員を初めて引き受けた。町内会で川村さんが所属する南地区は約90世帯だったが、「よそから引っ越してきた人が多く、親しく付き合っている人がいれば、顔は分かるが話をしたこともない人もいた」。

  町内会活動を通して、「町内がもっと楽しくなればいい。堅苦しくない川柳なら、笑いが生まれて社会とのつながりもできる」と川柳の掲示を思い立った。

  町内会役員は退任したが掲示を続ける中、気に入った川柳を大きな声で読み上げる小学生の声が聞こえてきたり、メーデーの句の前で労働歌を歌う人もいた。旅行で入れ替えができなかったときは後日、「入院でもしていたのか」と心配された。「見てくれていたんだなと。いつの間にか私の方が地域の人たちから見守られていた」と笑う。
    (藤澤則子) 


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