盛岡タイムス Web News 2016年  3月 1日 (火)

       

■  〈おらがまちかど〉90 盛岡市 山岸駅かいわい 経験積み始めて自前の店 小國成一カさん 亡父の家に「ふくろう亭」(藤澤則子)


     
  JR山岸駅・岩手焼踏切近くの「ふくろう亭」で開店準備をする小國成一郎さん  
  JR山岸駅・岩手焼踏切近くの「ふくろう亭」で開店準備をする小國成一郎さん
 

 JR山田線の山岸駅近く、岩手焼踏切の脇に「ふくろう亭」(盛岡市山岸3の6の16)がある。神奈川県箱根町の老舗ホテルで修業し、調理師として経験を積んだ小國成一郎さん(64)が2015年2月にオープン。お酒や食事を楽しんでいると、店内に「カンカンカン…」と単線の踏切の音が聞こえてくる。小國さんは「この音がレトロでいいというお客さんもいる。おかげさまで開店1年を迎えることができた」と話す。

  「ふくろう亭」は、テーブル2卓にカウンター席合わせて13席。ほぼ1人で調理、接客をこなすため、目の行き届く広さ。15人ほどが着席できる離れの座敷もある。

  卓上のメニューには、1品メニューとともにポークソテー、ナポリタンなどの洋食も並ぶが、常連客がチェックするのがカウンターのホワイトボード。この日は手書きの文字で「なのはなスパゲティー」。手作りにこだわるメニューの中でも、特に旬のものが味わえて人気だ。

  店舗の建物は、14年5月に亡くなった元国鉄(JR)職員の父・仁太カさんの住まいで、小國さんが店舗として改装、引き継いだ。住宅地内のため、当時は集客を心配する声もあったが、「お客さまの半分は地域の方、他は地域外の方。夕方の下り列車で盛岡駅から来て、3時間ほど飲んで上り列車で帰っていく人も」と、客との出会いを楽しむまでになった。

  小國さんは盛岡市内の高校を卒業した70年、箱根・富士屋ホテルに就職。修業は鍋洗いに始まり、オムレツ、食肉解体、カレー、スープなどの技術を学んだ。11年8カ月の修業を経て同ホテル退職後、岩手県内のホテルやレストラン、高齢者施設などに勤務。高齢者施設の仕事では「80歳、90歳の方は口では何も言わないが、おいしくないと手をつけない。正直な人たちなので、こちらも緊張感があった」と貴重な経験を得た。

  63歳で「最後の挑戦のつもり」と、自分の店を持つことを決意。亡き父が勧めた国鉄勤務ではなく調理師の道を選んだが、駅近くの父の家に店を開くことに「縁を感じている」と表情を和ませた。

  ふくろう亭(電話662―3249)の営業時間は午後5時半から同10時。月曜定休。食事会や宴会は前の日までに予約をするとスムーズ。
  (藤澤則子)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします