盛岡タイムス Web News 2016年  3月 11日 (金)

       

■  きょう5年目の3・11 仮設で2万1千人 復興は道半ば


 東日本大震災から11日で丸5年。マグニチュード9・0の巨大地震と沿岸部を襲った大津波で、本県でも犠牲者、行方不明者は6200人余りに上った。沿岸被災地では、土地のかさ上げや災害公営住宅の建設が本格化するなど確実に復興が進んでいるが、いまだ仮設住宅では約2万1千人が暮らし、新しいまちづくりも道半ば。生活再建が遅れがちな独居高齢者や一人親世帯をどう支えていくかが大きな課題だ。

  東日本大震災は、災害発生時の広域連携や自主防災につながるコミュニティーの在り方も問い掛けた。盛岡地域は津波の直接的な被害こそないものの、地震や豪雨、火山災害などの危険は常に身近にある。当事者意識を持って備えることが肝要だ。

  震災後、盛岡地域では、内陸避難者の心のケアや生活再建支援、沿岸被災地から大学・専門学校に進学する学生のための復興支援学生寮の運営などに市や町、市民団体が協力して取り組んできた。

  このうち、もりおか復興支援センターは、盛岡市内に避難している約650世帯、1300人を中心に、生活相談員が日々、世帯を巡回して生活状況を把握、相談に対応している。被災者が交流できる「お茶っこ飲み会」や沿岸地域の復興状況を見学する「ふるさとバス」などの支援事業も展開。センター来館者数は減少傾向にあるが、今年度も2月末までに1万1843人が利用した。

  家賃無料で暮らせる「みなし仮設住宅」の支援制度の終了、内陸の災害公営住宅建設の可能性など、内陸に住む被災者は住居問題について今後、大きな決断を迫られる。

  同センターの金野万里センター長は「これまでも一律の基準の中で個別の相談に対応していくことには、大変難しい側面があった。これがさらに厳しいものになる可能性がある。支援は被災者それぞれに寄り添ったものでなくてはならず、最善を尽くすしかない」と話す。

  震災の記憶の風化が指摘され、沿岸住民からは「盛岡の人たちは、もう震災なんか忘れている」となげく声も聞かれる。震災から5年を経て、被災者や被災地にどう寄り添うか。また、いつ発生するか分からない災害に備え、どんな準備をしていくべきなのか。一人ひとりが向き合わなければならない課題だ。

  沿岸被災地で暮らす人や内陸避難者、その歩みに寄り添ってきた支援者らの今を見詰めながら、復興に参加する市民として歩むべき道を考えていきたい。


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