盛岡タイムス Web News 2016年  3月 16日 (水)

       

■  〈花林舎流庭造り─よもやま話〉54 野田坂伸也 春の兆し


     
  左がタイリントキソウ。右がデンドロビウム。まだ咲き始めたばかりです  
  左がタイリントキソウ。右がデンドロビウム。まだ咲き始めたばかりです
 

 盛岡市内より最低気温が3度ほど低いわが家周辺では、3月10、11、12、13日と4日続いて明け方の気温がマイナス10度前後に下がりましたが、天気予報によればこのあとは急に暖かくなって、春の気配が濃厚になるとのことでした。そうは言ってもこのまままっすぐに春になるはずはなく、1〜2度寒の戻りがあるでしょうが、日差しはもう間違いなく春の強さです。そう言えばつい先日知人が「きのう白鳥がカギ形になって北の方に飛んで行ったが、そう急がなくてもいいのになあ」と言っていたのを思い出しました。

  冬の間、室内に取り込んでおいたタイワントキソウの花が3日前に咲きました。日本のトキソウより大きくてあでやかな花を咲かせるのでタイリントキソウとも呼ばれます。もう10年ほど栽培していて、初めは2輪しか花がつかなかったのが年々増えて、3年前には十数輪の花が咲く豪華な鉢になりました。株が鉢いっぱいになったので株分けをするか大きな鉢に植え替えるかしなくては、と思いつつ怠けて放置していたのが悪く、翌年「さっぱり芽が出てこないなあ」と気付いた時には4分の3くらいの芽が死んでしまっていました。過密状態になっていたのでしょう。慌てて掘り出して枯れてしまった芽を取り除き、土を替えて植え直したら昨年、今年と元気を取り戻しまた鉢いっぱいに花を見せてくれましたのでほっとしています。今度は十分気を付けて枯らさないようにしないといけません。

  タイリントキソウはみかけによらず丈夫で簡単に育てられますから、試してみられたらいかがでしょうか。これが地植えで一面に咲く景色を作り出せたら楽しいでしょうね。

  もう一つ、本当に驚いたのがデンドロビウムです。わが家のように寒い家ではとても冬越しできない、と思っていましたので洋ランは買ったことがなかったのですが、ある人に「お祝いにもらったけど私はこんな弱い植物は育てられないからあげる」と言って押し付けられたのでやむを得ず引き取ったのです。

  私も洋ランなんて自分にはとても無理だ、と初めから諦めていましたので、外の花壇の隅に放置したままで「あれまだ生きてるぞ」と、ときどき罪滅ぼしに水をやったりしていました。ところがこのデンドロビウム・フェアリーフレークのしぶといこと、とうとう冬前まで外で生き抜いてしまいました。

  冷酷な私もさすがにこのままではいけない、と申し訳ない気持ちになり、鉢を少し大きくして新しいミズゴケに変えて2階の部屋の使わない机の上に置くことにしました。とは言え、この部屋は特に暖房をするわけではなく12月から3月中ごろまでは0度から10度くらいの気温が続きます。洋ランの育て方の本を読んでみると原産地の気温は27度〜33度、ただし5度より下がらなければ大丈夫、と書いてありました。

  この部屋は毎日のように5度以下になっていたのにランは枯れもせず、3月になるとなんとつぼみがでてきて日ごとに大きくなり、まだ10度以上になる日がたまにしかないのに14日にはとうとう開花してしまったのです。ど根性洋ランです。

  それにしても洋ランがこんなに簡単に育つというのは本当のことでしょうか。目の前で現物を見ているのに半信半疑です。でも、今年は何かいいことがありそうだなあ、と思って急に大事にしたりすると、突然枯れたりして。ウーン、心配で眠れなくなりそうです。


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