盛岡タイムス Web News 2016年  4月 16日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 山下浩平 指定が新たなスタート



 2月に国重要文化財に指定されていた、紫波町日詰にある大正建築物の平井家住宅(平井邸)。10日、指定書が所有者の平井家へ町から渡された。「あれ、まだだったの?」といった声が聞こえてきそうだが、記者も「ああ、ようやくか」といった気持ちが強いのが、正直なところである。

  昨年10月には平井邸を国重文に指定する答申が出されていた。当初は昨年内に正式指定される見込みだっただけに、平井家や町教委、よんりん舎をはじめ日詰地区、町内の歴史愛好家の方々は首を長くして待っていたのではないだろうか。町担当者の話では、文化庁内で円滑に話が進まない事情があったようだが、まずは指定書が無事に所有者へ渡ったことを喜びたい。

  答申された際の報道や、よんりん舎が開催している平井邸の公開など各種イベントで、重文指定となったポイントを知る機会は多くあったと思う。町外からの団体客も多くなった。指定を受け、今後は維持管理や活用に向けた計画が策定され、これまで以上に力を入れた施設保存、運用が可能となる。

  10日の指定書伝達式で記念講演した文化庁の上野勝久主任文化財調査官は、早急な計画策定が必要と述べていた。この計画づくりが、なかなか骨の折れる作業のようで、町の担当者は頭を抱えていた。一方で、これまで地域住民も知らなかった平井邸の魅力が、専門的見地から明らかとなった今、地域のシンボルとして新たな保存・活用を探る好機が到来しているようにも思える。

  答申が出されて喜びに沸き、正式決定がなかなか出ずに不安が募る日が続いた。ようやく官報告示され、所有者に指定書が渡り安心かと思えば、保存活用計画作りに着手しなければならない。昨年10月の答申から既に半年が過ぎ、それ以前から調査、研究を続けてきた方々は既に息も絶え絶えのことと思う。だが、今後の地域活性化の核となり得る国重文を最大限生かせるよう、もうひと踏ん張りしていただきたい。


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