盛岡タイムス Web News 2016年  5月 12日 (金)

       

■  〈潮風宅配便〉300 草野悟 復興に全力 大槌町の友人


     
   
     

 皆さまのご支援で「潮風宅配便」は300回目の掲載となりました。ずいぶんといろいろな人に登場していただきました。ありがとうございます。300号はどうしようかな、と考えていましたら、浮かんできたのが写真の藤枝修さんです。藤枝さんは大槌生まれ、現在岩手県職員として大槌町へ出向しています。故郷の復興に毎日全力で取り組んでいます。彼は早くから両親を亡くし、お兄さんが親代わりで育ててくれました。そのお兄さんが犠牲になりました。私も一緒に捜索のため、盛岡と大槌を何度か往復したことが思い出されます。お兄さんのご遺体が発見されたのは数カ月後、河口付近で見つかりました。その間、藤枝さんは仮設の遺体安置所に何度も通いました。

  先日、藤枝さんとその安置所のあった小学校の横を車で通りました。「思い出すね」と私が一言。「そうですね」と。それだけの会話でしたがそれで十分でした。

  その後は、強い精神の持ち主ですから、県庁での仕事はそんなことを微塵も感じさせずに働いてきました。いわてデスティネーションキャンペーンの主担当としても活躍し、多くの観光客を誘致しました。

  大槌町では産業部長として、町の産業再生、復興に取り組んでいます。大槌町も沿岸各地と同じように、マンション型の災害公営住宅が建ち始めています。そこで最も必要とされるのは「買い物の利便性」です。せっかくの団地が形成されても、食料品の買い物が不便では、買い物難民が生まれてしまいます。大槌町に新しく作られた産直「母ちゃんハウス・だぁすこ」は、食堂のほかに地元の魚介類や野菜など新鮮な食材が豊富に並んでいます。気軽に、すぐのところに買い物の場所があることは精神的にも安心できるものです。

  大槌町は県内最大級の打撃を受けたところであり、復旧、復興にはまだまだ大きな壁が立ちふさがっています。それでも前向きに一歩ずつ、着実に歩を進めています。藤枝さんの故郷に大きな笑い声が響き渡る日を夢見ています。(岩手県統括コーディネーター)


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