盛岡タイムス Web News 2016年  5月 20日 (金)

       

■  官民連携に事業効果あり 盛岡市動物公園でヒアリング結果 企業の関心も高く 導入探り調査、協議継続


 盛岡市は、施設老朽化や少子高齢化などで現状運営では収支改善が見込めず、市の財政負担の増加が推測される市動物公園について、将来的な官民連携による再生活性化の可能性を探る調査を実施し、その結果をまとめた。民間企業へのヒアリング調査で、多くの企業が事業へ関心があり、多様なPPP(公民連携事業)の実施による事業効果は大きいとの結果が示された。官民連携手法による動物園事業は実例がなく、実現すれば国内初。市は今後、さらに調査を進めながら庁内関係部署と協議し、官民連携する場合は最短で現在の指定管理期間が終了する2018年度以降の実施を目指していく。19日の市議会建設常任委で市が説明した。

  市動物公園は1989年の開園当初は約26万人の来園者があったものの、増減を繰り返し、近年は17万人台から15万人台で推移する。2015年は7年ぶりに18万人台を達成したが、顧客ニーズも変化し、リノベーションに着手している動物園との差は必然となっていることから施設改修が喫緊の課題。施設の老朽化が進み、大規模な改修を行わなければならない状況の箇所も出てきた。現状運営を続けた場合、今後20年で施設維持修繕費11億円、運営経費に60億円の計71億円が見込まれる。

  こうした現状を受け、市は15年度に新たな事業手法である官民連携事業による事業実施の可能性を検討するため調査を実施。市が建設設計会社、公民連携事業を実践する団体、水族館動物園業界関係者に、委託のコンサルが民間企業15社に、それぞれヒアリングを行った。

  調査条件には動物公園民間連携に係る費用リスク分担として、市側が施設更新費、維持管理費、動物購入費、動物飼料費などを負担し、民間企業側が人件費、光熱水費、プロモーション費などを負担することを示した上で▽民間事業者の意向把握▽PFI事業導入可能性の検討▽実施可能性の評価▽事業スケジュールの検討▽実施に向けた課題整理▽運営計画提案─などについて聞いた。

  調査では、事業実施により選定される特別目的会社が市の財産所有施設に付帯し、民間収益施設を併設して収益の最大化を図る「多様なPPP」の実施が可能との結果が示された。具体的な事業方式は、市がエージェント会社に事業権限を委譲し、同社が官の事業代行執行者となり、企画段階から市と連携して採算重視で事業計画したり、官民の折衝協議による長期化を解消していく「PPPエージェント方式」を最適な手法とした。

  PPPは紫波町のオガールなどで既に取り組まれている手法で、公共発注で掛かる事業費の縮小のほか、官が建物の配置を決めた後にテナントを決定するのではなく、テナント決定後にそのテナントが望む施設を整備することで開業時から確実に採算性が見込めるなどのメリットがある。

  事業の今後の課題としては、市の歳入拡大につながる可能性はあるが、エージェントとなり得る人材の確保ができるか、特別目的会社の収益面を考慮すると現在は無料で入園可能な中学生以下や高齢者からも利用料金の徴収が必要になること、事業の範囲として岩山公園を組み込むことや仮称動物愛護センターの併設などについて再調査が必要なことなどがある。


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