盛岡タイムス Web News 2016年  5月 31日 (火)

       

■  参院選岩手区 与野党どちらの陣営に 柳村滝沢市長 平野参院議員 主浜氏勇退で軸足移す 一転、自民に歩み寄り


     
   田中真一氏の決起集会で弁士として出席した滝沢市の柳村典秀市長(右から2人目)  
   田中真一氏の決起集会で弁士として出席した滝沢市の柳村典秀市長(右から2人目)
 

 参院選岩手選挙区(改選1)で、与野党どちらの陣営に加勢するかをめぐる動きが慌ただしい。無所属の平野達男参院議員は自民党新人候補の支持を表明。一方、生活の党現職の主浜了氏が不出馬表明し、地元・滝沢市では柳村典秀市長も自民新人の応援を明言。野党統一候補の無所属新人ではなく、これまでの政治的スタンスとは一線を画す態度が反響を呼んでいる。

  「態度を鮮明にすると気が楽というか、これから表に出て機会があればマイクも握りたい」。29日夕に同市内で開かれた自民新人の田中真一氏(49)の同市後援会決起集会。柳村市長のあいさつに会場から拍手が沸いた。ダブル選なら衆院岩手2区の鈴木俊一県連会長の応援も公言した。

  柳村市長は同日、来県した石破茂地方創生担当大臣に要望をした。「さまざまなことを実現するには政府与党にお願いしないといけない」とも述べ、応援は「恩返し」とのニュアンスがにじんだ。

  過去村議、県議時代を通じて非自民で活動。市長就任後は与野党問わない立場で、国政選挙は誰のマイクも握らなかった。

  一方で2014年の市長選では事務所に主浜氏や鈴木県連会長のため書きが飾られ、衆院岩手2区の野党統一候補に擁立された民進公認元職の畑浩治氏(52)、当時の民主、生活の県議らがそろった。15年11月に主浜氏が出馬をにおわせた国政報告会では、柳村市長が今後の活躍に期待を示した。

  1月の県議の集まりに達増知事と同席する機会も。当時知事の政務秘書で岩手選挙区の野党統一候補に擁立された無所属新人の木戸口英司氏(52)とは県議時代が重なる。それが今回、一転して自民の衆参選挙候補を応援すると言い切った。

  「主浜さんという重し・つっかえ棒が取れたのではないか」、「市財政が厳しくて与党にすり寄った」。市内の与野党関係者からは、柳村市長の政局的な態度に、さまざまな声が上がっている。

  田中氏の市後援会役員によると、今月はじめに石破大臣への要望を柳村市長に提案した。同時に決起集会の弁士として「ふんどし(垂れ幕)を用意するか」と聞くと、了解したという。

  市では市役所前の複合施設建設や滝沢中央小学校新設などに伴う苦しい台所事情がある。このため地元出身の主浜氏が現役を退くのを機に、政府与党支持へ、かじを切ったとの見方がある。

  平野氏は28日に田中氏の事務所開きに出席。田中氏や自民への支持を鮮明にした。告示直前で出馬を取り止めた15年知事選については「私の全くの非力で」と言及した。

  平野、田中両氏にゆかりのある北上市では田中氏後援会に平野氏支持層も多く名を連ねる。平野氏自身は否定しているが、田中氏支持を通じ、将来的には自民入りする布石との見方が県政界内に根強くある。

  鈴木県連会長は28日取材に応え、平野氏について「前回参院選で戦った方で支持に広がりや実績のある方。北上はもちろん沿岸も期待できるのではないか」と分析。知事選出馬取り下げに対する支持層のアレルギーについては「拒否的な部分は(一般にも)直後よりは氷解しているのではないか」とも述べた。

  同日夕、党県連の国会議員や県議の一部は盛岡市内の料亭に集まった。平野氏が来賓に招かれた。出席者によると、平野氏があいさつで昨年の知事選に触れたが、出馬取り下げの陳謝の目的や「手打ち式」のような場ではなかったという。
(大崎真士)
 


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