盛岡タイムス Web News 2016年  8月 13日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 戸塚航祐 ポケモンショック再来


 ポケモンショックが再びやってきた。7月22日に国内サービスを開始したスマートフォンゲーム「ポケモンGO」の開始から1カ月近くたつ。県内は多少の落ち着きを見せ始めたが、スマホを片手に歩く人は依然として多い。

  ポケモン絡みの出来事では、1997年の「ポケモンショック」が思い浮かぶ。テレビ視聴者が光過敏性発作などを起こした事故を覚えている人もいるだろう。今回のゲームで訪れたポケモンショックは二つある。一つは都市部との格差、もう一つは未成年者の深夜徘徊(はいかい)など危険行為だ。

  あるユーザーは「地方ユーザーは不利なゲーム。珍しいポケモンの出現率が低い。大都市の華やかなゲーム展開との格差を感じてしまう」と不満をこぼす。

  ゲームはインターネットを介するため、都市部と田舎で条件は同じはず。しかし、ユーザーの多くは格差を感じている。要因はゲームの性質が「位置ゲーム」だからだと思われる。

  位置ゲームは端末のGPS機能を使用し、実際にユーザーが移動して遊ぶ。ポケモンGOにはアイテムを取れる「ポケストップ」があるが岩手の面積は広い。ウェブ上の有志が調査した、岩手の可住地面積に対するポケストップ数は、約371fに対し2013件。47都道府県中44位と面積との乖離(かいり)を感じさせる。

  ユーザー数が同じならば、人口密度が高い町の方がポケストップも密集。ゲームが進めやすく、進行速度も早い。このため、不満を持つユーザーが多いと予想できる。

  もう一つのショックと考える未成年者の深夜徘徊、歩きスマホはいまだになくならない。お寺など墓参りで混み合う時節柄、境内で禁止する例も増えている。

  当然だが未成年者の深夜徘徊は容認できない。歩きスマホは論外だ。しかし、安易な規制もいかがなものだろうか。位置ゲームは始まったばかりのジャンル。安易な規制では、世界に通用するコンテンツをつぶしかねない。

  規制よりも必要なことは、メディアリテラシー教育だろう。県教委でも施策を展開しているが、企業や地域でも積極的に推進すべきだ。スマートフォンの「スマート」は「賢い」という意味。SNSやインターネットは使う側が賢ければ事故は起きにくい。賢く楽しく遊んでほしいと切に願う。
 
 


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