盛岡タイムス Web News 2016年  8月 18日 (木)

       

■  網張にニホンジカ 赤外線カメラがキャッチ キャンプ場奥の林設置 生態系への影響に懸念


     
  網張の森キャンプ場で撮影されたニホンジカ(網張ビジターセンター提供)  
  網張の森キャンプ場で撮影されたニホンジカ(網張ビジターセンター提供)
 

 7月5日午前9時ころ、雫石町長山小松倉の網張の森キャンプ場奥の林に設置された赤外線カメラが、ニホンジカの姿を初めて捉えた。県内ではニホンジカの生息地が広がるに伴い、被害も発生している。キャンプ場に近い網張ビジターセンターには4月から複数件の目撃情報があり、貴重な自然の広がる十和田八幡平国立公園内の生態系に影響がないか懸念される。

  雫石町では捕獲例がほとんどなかったが、4月23日に岩手山御神坂登山口で数頭のニホンジカ目撃情報を確認。次いで5月17日に旧NUC周辺で1頭が目撃された。同センターが設置しているカメラでは頭部は木に隠れているが、ニホンジカに間違いないという。

  同センターの大堀拓主任解説員は「複数頭で動いているようだ。岩手山麓内で生息は確認しているが、カモシカと違い山中で越冬できない。これからの季節に人里に降りれば食害も発生する。もしも爆発的に増えれば、国立公園内の景観維持に影響する」と厳しい顔で話す。

  景観や生態系の影響で最も警戒するのは、山間部のシラネアオイなど高山植物。かつて栃木県日光市で爆発的にシカが増え、壊滅的な被害が出た例があるという。

  県環境生活部自然保護課は、増加の理由を▽オオカミなど天敵の減少▽狩猟者の減少▽温暖化の影響―と分析。温暖化の影響が近年の特徴とみている。2006年の調査では釜石市、大船渡市が抱える五葉山を中心とした県南に生息。しかし14年の調査結果では、岩手町や久慈市などでも捕獲情報が増加。県内全域へ広がり、全県で約4万頭が生息していると推定している。

  大堀主任解説員は「盛岡藩時代は狩猟が盛んだったが、現代は狩猟者が少ない。カモシカの生息域と重なり同じ餌場の取り合いとなる。越冬できるとしたら、もっと数が増えるだろう」と指摘した。

  県の第2種特定鳥獣計画第4次計画では、16年の捕獲目標を1万頭以上と掲げ、積極的な捕獲を呼び掛けている。


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