盛岡タイムス Web News 2016年  8月 22日 (月)

       

■  〈幸遊記〉293 照井顕 瀬川正子のオータムジャズ祭


 2005年6月から08年4月までの年6回3年間発行された、紫波町手つなぎ情報誌「サロン・ド・紫波」という町内全戸配布紙(A4判・4n)がありました。その発行途中の06年の2月、同町在住の作家・三島黎子さんから、照井さんも紫波町民になったのだから、編集、製作に助力願えないかなとのお葉書を頂戴したのがきっかけで「ひと紹介」欄で8名の町内人を書かせて頂いた。

  その編集の中心人物だった瀬川正子さん(共同園芸社長夫人)に「かとうじ山という紫波町を一望できるところがあるから行って見ない?」と言われ、連れて行ってもらった場所が何と共同園芸が経営している「ビューガーデン」。そこは紫波の先人・藤原嘉藤治が開墾し、高村光太郎が「天然の舞台」と絶賛して長編詩を書いた場所だった。そのことから、社長ご夫妻は「かとうじ山の音楽会」という子供劇やコーラスなどのつどいを毎年開いていた(いる)。

  その芝生のなだらかな傾斜地に立った僕は、かつての陸前高田市で85・89年の2度っきりではあったが、マーサ三宅や、穐吉敏子ジャズオーケストラをメインにオリンピックのように4年に1度の一大イベント「日本ジャズ祭・イン・陸前高田」を開催した経験から、この絶景の地に、流行とは対極にある真に実力あるミュージシャンで、僕の店に出演経験のある人達に参集願って始めた催しが「いわて・あづまね山麓・オータムジャズ祭・イン・紫波ビューガーデン」であった。開演から終演まで6時間、東京中心のプログループと岩手在住のミュージシャンがこの祭のために新設された芝生のステージでの共演。そのスリリングで楽しく、そしてレベルの高い演奏を聴き、日本詩人会議の照井良平さん(花巻市)は「紫波平野にジャズを告げる平和の飛翔」と無数の秋アカネが稲穂の上を飛ぶ様をジャズ詩にした。それは延べ、10年間100組440人にのぼる出演。

  野外フェスは冠スポンサーや広告料、補助金などを投入してが普通だが、このあづまねは無冠無補助無広告の民間力。関わる人全ての中にあるボランティア精神のたまもので成立し、野外で気になる雨や日光対策で参集者全員をカバーするテントまでも用意。このことだけでも日本唯一の野外フェスなのですよ。それにピアノの貸し出し、運搬、設置、調律、撤収まで自主完遂する入魂の「石川ピアノライン」これとて無二!感謝感激ありがとう!ありがとう!
(カフェジャズ開運橋のジョニー店主)


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