盛岡タイムス Web News 2016年  9月  1日 (木)

       

■  台風10号 岩泉などで11人犠牲 国道106号寸断続く 孤立者700人に


     
   土砂崩れなどで宮古市方面が通行止めとなっている国道106号の道の駅やまびこ館前(31日午前11時頃撮影)  
   土砂崩れなどで宮古市方面が通行止めとなっている国道106号の道の駅やまびこ館前(31日午前11時頃撮影)
 

 強い台風10号の本県上陸から一夜明けた8月31日、沿岸部を中心に襲った被害の大きさが分かり始めた。県総務部総合防災室の同日正午現在のまとめによると、久慈市と岩泉町で計11人の死亡が確認され、同町で2人が行方不明になっている。河川の氾濫などで孤立した状態の住民は8市町村で約700人に上った。陸上自衛隊や県警、県内外の消防による懸命な救助活動が続けられている。内陸と沿岸を結ぶ国道106号、455号の寸断も継続し、農林水産業関係の影響や施設の浸水被害なども徐々に明らかになりつつある。

  それによると、岩泉町の高齢者グループホーム「楽(ら)ん楽(ら)ん」で9人の遺体が確認された。ほか同町内で1人が死亡。久慈市では同市山根町の89歳女性が住宅の浸水による倒壊で川に流され、遺体で発見された。負傷者は軽米町内で軽傷が1人いた。

  孤立した住民がいるのは遠野市や釜石市、宮古市、岩泉町、田野畑村、久慈市など。道路の冠水、土砂崩れなどが原因。久慈市内で孤立したと情報がある7件中2件で安否確認ができないという。

  県は30日午後7時55分、陸上自衛隊岩手駐屯地に災害派遣を要請。31日午前9時時点で隊員200人、車両45台などが釜石市と岩泉町の孤立者救助や状況確認の活動中。航空機派遣部隊は「楽ん楽ん」隣接の老人ホームに避難した孤立者85人を、警察のヘリコプターと協力して矢巾町藤沢の県消防学校へ搬送した。

  県保健福祉部は同施設に岩手医大の災害医療派遣チーム1隊を送り、入所者の身体状況を確認。消防学校に搬送された入所者については盛岡圏域内の介護老人保健施設や災害拠点病院へ搬送するトリアージ(優先度付け)が行われた。

  避難者数は2町43世帯221人で、午前6時現在の19市町村219世帯1157人から大幅に減った。一部で避難指示・勧告などが継続されていた。

  建物被害は住家の床上浸水が92戸、床下浸水が33戸、暴風被害が盛岡市を含め27戸あった。非住家の被害も複数発生した。

  県県土整備部によると、県管理道路(3桁国道含む)はピーク時で盛岡地域を含む55路線90カ所で全面通行止めか片側交互通行の規制が敷かれた。正午現在で41路線69カ所の規制が継続された。

  同部や盛岡広域振興局によると、国道106号は宮古市川内の道の駅やまびこ館から同市側で土砂崩れなどの影響で通行止めが続いた。盛岡市側からも復旧作業が続けられた。国道455号も岩泉町・岩谷トンネル付近で土砂崩れがあり、盛岡側からの復旧作業が行われている。

  達増知事は午後、ヘリで久慈、宮古、岩泉3市町を視察し、同日の県災害対策本部に報告した。「人命を優先し、被害に遭った住民の生活支援、産業関係施設の復旧にも対応し、道路の復旧にはできるだけ早く対応しよう」と訴えた。

  県農林水産部によると、岩泉町・岩泉乳業は工場の天井まで浸水し、復旧に数カ月かかるという。県教委は休校措置が長いところで1週間と見込まれる学校もあり、学校再開へ市町村を支援する。

  国は務台俊介内閣府大臣政務官(復興兼務)を団長とする政府調査団を本県に派遣。関係省庁職員ら約20人で構成。夜に県庁で達増知事ら県当局と意見交換した。1日に被害の大きかった久慈市と岩泉町に入る予定。


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