盛岡タイムス Web News 2016年  10月  8日 (土)

       

■ 〈体感思観〉編集局 藤澤則子 大スクリーンの醍醐味


 
 ブームに乗ったわけではないが、新海誠監督の話題のアニメーション映画「君の名は。」(「君の名は。」製作委員会)を鑑賞した。

  公開直前の8月中旬、同映画の美術背景スタッフに加わった盛岡市出身の小原まりこさん(25)=盛岡二高・女子美大卒=を取材。この数年はDVDでの映画鑑賞が多かったが「この作品は劇場で」と記者自身が待ちかね、公開2日目に映画館に足を運んだが連日の「満席」。座席を予約し、やっと2週目に見ることができた。

  記録的な動員数や興業収入に加え、劇中の関連場所を訪ねる「聖地巡礼」が社会現象になるなど話題が尽きないが、その勢いは盛岡にいても十分に実感できた。

  上映館と周辺のにぎわい。鑑賞後そのまま書店に足を伸ばし、同映画の小説本を買い求める中学生もいた。

  1本の映画の持つ力。誰かと一緒に大スクリーンで映画を見る楽しみ。思えば9月、16_フィルムの普及活動を続けている石塚公美子さん(70)=滝沢市=のインタビューで、一つの大きなスクリーンで映画を見ることの醍醐味(だいごみ)を聞いていた。

  盛岡教育事務所管内教育振興協議会「中央地域ライブラリー」の専任職員を38年続け、現在も同ライブラリーの運営に関わる石塚さんは、文科省の16年度視聴覚教育功労者・情報教育功労者表彰を受賞。表彰の趣旨から、インタビューは児童生徒の教育と映像のかかわりが中心になったが、「(今も映画会が多く開かれる)児童センターに加え、高齢者施設での上映が増えている。『次は○○が見たい』とお年寄りが前向きになってくれるのもうれしい」と石塚さん。

  「今の時代だからこそ、家族や地域の中で世代を超えて同じ映画を見ることで、会話のきっかけやコミュニケーションが生まれればいい」と言及した。

  「5…4…3…」本編が始まる前にスクリーンに写し出される、フィルム映画のカウントリーダー。「子どもたちは、わざと手をかざしてスクリーンに影を映したりするが、映画が始まると静かになる。上映後にあいさつに来てくれる子も多く、心が育っていると感じる」と笑顔を見せた。

  一方、みちのく国際ミステリー映画祭から数えると20年目になるはずだった「もりおか映画祭」が今年は開かれないことが発表された。映画の作り手や映画を支える人たちの情熱に答えるために何ができるか。興味を持った映画を話題にし、実際に映画館に足を運ぶことはできる。


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