盛岡タイムス Web News 2016年  10月  29日 (土)

       

■ 実効性ある支援体制は 台風10号教訓に分科会設置 県防災会議幹事会内に 市町村に勧告発令態勢聴取





     
  分科会設置などについて了承された、県防災会議幹事会  
  分科会設置などについて了承された、県防災会議幹事会
 

  県は、台風10号に伴い多数の犠牲者や被害が発生したのを受け、県内全市町村を対象に避難勧告等の発令態勢などについて聴取している。28日に開かれた県防災会議幹事会では、市町村への聴取内容も踏まえた三つの分科会設置や構成・運営などが了承された。11月から各分科会で協議が始まる。来年2月の幹事会で内容を取りまとめ、3月の防災会議で県地域防災計画の見直しに反映させる予定。

  分科会は@地域防災体制A社会福祉施設等防災B河川・土砂災害防災で、住民の生命を守り、減災に必要な取り組みについてそれぞれ検討する。

  県内市町村への発令態勢などの聴取については、地域防災体制分科会の現状把握のために先行して行われている。各市町村が避難準備情報、避難勧告、避難指示の発令を判断、実行するための気象などの防災情報は提供されているが、発令は一律とはいえない。

  台風10号では県内に上陸前から県が災害特別警戒本部を設置。市町村へ住民が日中に避難準備や避難できるよう避難勧告等の発令や避難所設営を適時行うよう通知した。

  それでも被害の大きな地域で勧告発令に至らなかった事例もあった。災害発生の時期や時間帯、発生した被害、自治体の住民への対応状況、市町村職員のマンパワーなどが影響を与える。このため県では勧告等発令の意思決定に結びつき、実効性のある県の支援体制を検討する考え。

  内閣府も、避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインに関する検討会で27日から検討を開始した。今回の設置は岩泉町のグループホームで9人が犠牲になったことを受け、避難に関する情報提供の改善方策などについて検討するのが目的だという。

  県としては国の動きと並行して検討を進めるが、来年度の洪水発生時期に台風10号と類似の犠牲や被害が出ないよう、今年度内の地域防災計画修正を図る。メンバーには幹事会以外の有識者や台風10号被害の大きかった岩泉、宮古、久慈3市町、一関市の防災担当者も招集される。

  社会福祉施設等防災分科会では、岩泉のグループホームの被害を踏まえ、県内社会福祉施設等の立地状況や非常災害対策計画の策定状況を把握する。避難訓練の実施状況も含め防災体制の推進方策などについて検討する。検討には高齢者、障害者福祉関係者もメンバーに加わる。

  河川・土砂災害防災分科会では、水位周知河川の指定や浸水想定区域図の作成、災害直撃から逆算した事前の防災行動計画「タイムライン」作成などについて状況を把握。災害から住民を守る方策、沿川住民の早めの自主的避難の理解を深める方策を検討し、導入に向けた方向性の確認まで進める見込み。

  風早正毅県総務部長は幹事会の冒頭、あいさつ。「気候変動に伴う大規模風水害が各地で発生している。本県も今回の教訓を踏まえ、新たな防災体制を進めたい」とメンバーに呼び掛けた。


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