盛岡タイムス Web News 2016年  11月  11日 (金)

       

■  トランプ勝利に衝撃 米大統領選に県内各界 TPP反対には肯定も


     
  トランプ氏の本が並んだ盛岡市の書店の店頭  
 
トランプ氏の本が並んだ盛岡市の書店の店頭
 

 米大統領選でドナルド・トランプ氏が当選し、世界に衝撃が走った。県内でも政界や経済界を中心に、日米関係の雲行きが危ぶまれている。日本嫌いを公言する候補の当選に、安保や国際情勢の不安定化への懸念が広がる。トランプ氏のTPP反対の公約に対しては、日本の国益との合致を認める評価も聞かれた。

  新渡戸国際塾塾長で東京都の元国連大使・岩手県立大学長の谷口誠氏は、トランプ氏の資質について、「大統領になれば無茶なことはできない」とくぎを刺す。その一方で、「安倍総理がニューヨークでクリントン氏に会ったことは非常にまずいことだった。どちらが勝つか未知数のときは、静観するのが外交。トランプも愚かでないから、安倍総理が何を考えていたかは分かる。外交はもっと賢明であらねば」と、日本側の失策を批判する。

  TPPについては、「オバマ政権がアジア戦略としてもくろんだことで、日本への影響は大きい。自民党は反対から賛成に回ったが、こうなると米国抜きではまとまらない。中国はAIIBを着々と進め、日米関係はこれまで通りではなくなると、日本はアジアで孤立する」と懸念。12日は遠野市で国際塾を開き、大統領選を踏まえて講演する。

  新渡戸国際塾事務局長で、盛岡市の姉歯武司氏は、「既に『サンダース現象』のころから、米国社会の行き詰まりを感じていたが、それがこのような形になったかと思う。英国のEU離脱と同じで、現在の社会のあり方への疑問が出てきたのか」と不安視する。

  県内経済界は今後の推移を注意深く見守る。盛岡市のさわや書店本店では大統領選を受けて、トランプの本をまとめて発注した。入荷次第、平積みのコーナーを作る。

  同市の小山田工業所社長で、盛岡工業クラブの小山田浩之会長は「為替相場の円高進行は原材料の調達を輸入に頼る企業には朗報だが、海外への販売が滞る企業も発生するということ。政策をしっかり見定めていきたい」と話した。

  同市の南部鉄器製造岩鋳の岩清水晃社長は「製品の半分を輸出している当社にとって、円高進行の影響は大きい。為替相場が1ドル90円台になれば海外からの製品の値下げ要求、注文数の減少が予想される。政策に注視していかねば」と話した。

  県農協組合中央会の畠山房郎常務は、「TPPは両候補批准できない話をしていたので、どのみち日本の対応には影響を与えると思っていた。TPP反対のトランプが大統領になりどういう政策を取るか。TPPはやらなくても2国間協議はするというので、日米でFTAなど別な形の貿易交渉になれば、中身はTPPと同じかさらに厳しいものになるか、心配される」と話し、10日の衆院本会議でのTPP承認案と関連法案の採決も注視した。


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