盛岡タイムス Web News 2017年  1月  20日 (金)

       

■  十和田八幡平国立公園 海外誘客3倍増へ 3県プログラム 20年度まで5カ年


 本県など北東北3県と東北地方環境事務所で構成する十和田八幡平国立公園満喫プロジェクト地域協議会は2016年12月22日、国内の国立公園を世界水準のナショナルパークとしてブランド化する具体的な計画「十和田八幡平国立公園ステップアッププログラム2020」を策定した。計画期間は16年度〜20年度までの5カ年。政府が取りまとめた「明日の日本を支える観光ビジョン」を踏まえ、外国人利用者数を15年の約7千人から3倍の約2・1万人への増加を目指す。本県では岩手山を抱える八幡平市、滝沢市、雫石町などが案内表示板整備などを進める計画だ。

  同公園のテーマは「みちのくの脊梁(せきりょう)〜原生林が彩る静謐(せいひつ)の湖水、息づく火山と奥山の湯治場」。政府は20年までに訪日外国人旅行者数を4千万人とする目標を示している。うち東北への外国人宿泊者数を150万人泊に押し上げ、訪日外国人観光客増加の効果を東北地方へ波及させる考えだ。

  取り組み方針は▽多彩な登山道の利用促進▽冬季の利用促進充実▽温泉・湯治の体験提供▽手軽な原生的な自然・活火山現象の体験▽十和田信仰の体感▽アクセスルートの景観向上・案内強化▽ビューポイント(重点取組地域)の集中的な取り組み▽情報発信・プロモーション▽ターゲットのニーズの把握―の9点。

  本県ではアクセスルートの景観向上・案内強化で、岩手山などへの案内表示の整理・統合を行う。八幡平や岩手山に至る道の案内標識は、各自治体などがさまざまに設置し統一性がなかった。また、多言語化にも対応。多くの案内表示は英語併記だが、今後の同協議会で近年増加傾向にある台湾などアジア圏の言語対応も検討する。

  岩手山の案内表示板整備は17年度〜18年度までに県、八幡平市、滝沢市が実施。雫石町は同期間に16年7月に選定した「雫石十四景」の解説標識多言語化を進める。景観の維持と向上も並行し、八幡平市は八幡平温泉郷の老朽看板の撤去更新、見返り峠付近の旧レストハウスの解体を進める予定。

  また、重点取組地域の取り組みでは、ビジターセンターなど利用施設の魅力向上に努める。岩手山地区では、東北地方環境事務所が18年度までに網張ビジターセンターなどを再整備。犬倉山に飲食休憩機能を持つ展望台の設置も検討する。このほか整備を進めている「岩手山・八幡平・安比高原50`トレイル」の整備促進などを図る。

  各方針は同公園が有する課題解決の側面も持つ。計画では、同公園内の施設老朽化が進み景観悪化の要因になっていると指摘。海外展開を見越した取り組みも不足と考え、ユニバーサルデザイン、無線インターネット環境、携帯電話環境などの整備も「早急な対応が必要」としている。

  同協議会は環境省の国立公園別訪日外国人国籍別実利用者数推計値を基に、公園内の利用者数を検証。各取り組みの進捗状況を確認しつつ必要に応じて見直しを図る。

  県生活環境部自然保護課の本木正直自然公園担当課長は「計画は観光庁が進める『国立公園満喫プロジェクト』ともつながる。県としても商工労働観光部や国、市町、民間団体と連携して効果が上がるように進めたい」と語った。


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