盛岡タイムス Web News 2017年  1月  21日 (土)

       

■ 〈体感思観〉 編集局 山下浩平 地域の自治の未来へ


 
 盛岡広域の各市町、各地域では特色ある住民活動が展開されている。スポーツや歴史文化に関する研究会、音楽活動などジャンルは多種多様。自作の工芸品を展示販売するような団体などもあるが、各活動に共通しているのは、自身のやりがい、生きがいである。現状では地域住民の暮らしを支え、生活に直結する地域課題を解決するような性格は併せ持っていないと感じている。

  16日に紫波町で行われた、紫波みらい塾。その中で初めて「小規模多機能自治」という言葉、仕組みを知った。この取り組みを進める全国の自治体で構成する小規模多機能自治推進ネットワーク会議によると、定義は「域内の住民・活動者や、地縁型・属性型・目的型などあらゆる団体によって構成された地域共同体が、地域の実情や課題に応じて、住民の福祉を増進する取り組み」とされている。

  少子高齢化や人口減少が早くに進む西日本の中山間地など、過疎地域において取り組まれている。同日、講師を務めたNPO法人点空社の斎藤主税さんの話では、西日本では東北よりも少子高齢化が10年早く進んでいるという。取材を通して感じたのは、この自治の有効性と、早急な準備の必要性である。

  同自治は、地域の実情を最も熟知している地域住民による組織が事業を展開する観点から有効だが、一方で、講演でも触れられていたが、地域における「少数派」である若者の意見を抽出しなければならない。

  少数である一方で、将来は地域を担う存在。だが、現状でさえ地域活動への参加状況が芳しくない若者世代のニーズをどう顕在化させていくのか。地域に合った調査手法の研究や、若者を含め地域の中心的な人物となりうる人材の育成という観点からも、相当な準備期間を要すると考える。

  この仕組みを小さい地域ごとにいくつも構築していくことは、手間はかかるが、地方を存続していくための近道のようにも思える。


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