盛岡タイムス Web News 2017年  2月  7日 (火)

       

■  U―OIL 安全、耐久の木材専用 矢巾町のシオン 国産自然塗料で全国に販路


     
   「木材の風合いが生かされる自然塗料。趣味などで気軽に利用を」とアピールする石川社長  
   「木材の風合いが生かされる自然塗料。趣味などで気軽に利用を」とアピールする石川社長
 

 矢巾町のシオン(石川公一郎社長)は、亜麻仁油や天然顔料などを使った木材専用の国産自然塗料「U―OIL(ユーオイル)」の製造・販売を広げている。5年間かけて開発した同製品は極めて安全性が高く、自然塗料では珍しく屋外の木材にも使用できる。受注後に製造するオーダーメード方式によってオリジナルの色合いに仕上げられ、施工性や耐久性の高い商品を提案できる。木材の質感が生かされ塗り上がりと機能性が評価され、顧客は関東を中心に工務店や家具業者、一般消費者などと幅広い。昨年12月に適用された日本政策金融公庫の小規模事業者向け資本性ローン3千万円から商品のブランド化を進め、国内ナンバーワンの自然塗料メーカーを目指す。

  2003年に設立した同社。初めは100%天然塗料を製造・販売していたが、08年にユーオイルの開発に着手した。

  「天然塗料トップブランドの海外メーカーの商品でも、多少の化学成分が入っており確実に安全とは言い難い。かといって天然素材100%で仕上げると施工性が低くなる。その両方を備えた商品を目指した」と石川社長は振り返る。

  自然塗料の着色を妨げるのは木材に含まれる油分や水分。同じ樹種でも産地や製材所によって含有量が異なるため、発色や定着に差が出ることが難点だった。そこで同社は完全受注生産体制を採用し、使用する木材に合わせて乾燥成分などを調合することで不具合を解消。顔料調整からオリジナル色を生み出すことも可能にした。さらにフッ素を配合することで、紫外線や外気に強い耐候性を加えた。

  そうした性能や仕上がりが評価され、高級酒を入れる木箱に使用されるなど用途を広げている。建設中の国立競技場の客席の使用も提案しているという。

  販売初年度の売り上げは300万円ほどだったが、16年は約3千万円。営業回りはせず、サンプルから商品の良さを実感してもらい販売を広げてきた。サンプルから購入につなげることで返品やクレーム、原材料のロスを防いでいる。また仲介業者を通さず直接販売しているため、客の要望を確実に捉えられる。

  今後は宣伝やイベントを強化して商品の認知度を上げ、デザイナーとタッグを組んで自然塗料と木材の使い方を提案していく。

  石川社長は「一次産業の中でも特に一般消費者になじみがない業界。木材の知識を広めながらわくわく感を喚起する木工商品を提案し、木材ひいては塗料の消費拡大につなげたい」と語り、「量産体制は万全。10年後には売り上げを10倍伸ばし、国内の自然塗料メーカーナンバーワンを目指す」と意欲を示した。

  0・75g缶で税込み5千円から。その他の容量あり。販売などの問い合わせは同社(電話677―7060)まで。

  資本性ローンによる融資は金融検査上で自己資本とみなされる。増資により対外信用力が向上するほか、法的倒産手続き時に他の債務より支払いが劣後する。県内での適用は4社目。
 


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