盛岡タイムス Web News 2017年  2月  21日 (火)

       

■  〈おらがまちかど〉109 滝沢市 川前地区 高齢者に「おげんき発信」 支援連絡会 安心地域へ 県立大と連携(馬場恵)


     
   1月の第26回川前地区高齢者支援連絡会の後、開かれた新年会。メンバーの親睦も活動の充実には欠かせない要素  
   1月の第26回川前地区高齢者支援連絡会の後、開かれた新年会。メンバーの親睦も活動の充実には欠かせない要素  

 「きょうの調子はいかがですか」。電話口から流れるロボットの声に応え「げんき」「わるい」など、その日の体調を市町村の社会福祉協議会などに番号で知らせる「おげんき発信」。一人暮らしの高齢者の安全を守り、孤立死を防ぐため、県立大社会福祉学部の小川晃子教授と県社会福祉協議会が協働で開発したシステムだ。県立大のある滝沢市巣子の川前地区では、このおげんき発信をきっかけに、大学や地元自治会などが協力し、高齢者を地域で支えるコミュニティーづくりを進めている。核となるのは、川前地区高齢者支援連絡会(酒井和雄代表)。2カ月に1度は会議を開き、情報交換を続けてきた。

  先月24日、県立大の向かいにある滝沢市IPUイノベーションセンターで開かれた26回目の連絡会には、新任の2人を含む民生委員や川村尚雄川前自治会長、発足時からメンバーに加わる介護事業者ら21人が参加。地域の高齢者の様子や支援活動へのタブレット端末の利用などについて話し合い、連絡会につながる人を、さらに増やしていくことを確認した。

  川前地区は約2300世帯。県立大の開設で学生の姿は増えたが、実際は高齢の夫婦二人世帯や独居老人が目立つ。隣家が離れている上、地形的に冬場の移動が難しい高齢者も少なくない。

  同連絡会の働き掛けで、いわて生協の無料お買い物巡回バスの運行や、学生ボランティアによる雪かき支援などが実現した。ただ、おげんき発信を含め、支援活動を「申し訳ない」と遠慮する高齢者もいて、浸透には粘り強い取り組みが求められる。

  同市社会福祉協議会によると、1月末現在、おげんき発信を活用した見守りシステムの市内利用者は89人、川前地区を含む北部地区の利用者は38人となっている。

  民生委員の一人、砂沢得子さん(65)は「おげんき発信も、早めに始められるといいが、元気な人からは『まだいい』と言われ、ぜひ利用してほしい認知症予備軍の人は、新しいことに挑戦するのが、おっくう。さりげなくシステムへの理解を広げる工夫が必要」と話す。

  地元介護事業者のケアサービスまごのて代表取締役の久保忍さん(43)は「連絡会があることで、地域の中で顔が見える関係が築けている。時間はかかっても、地道な取り組みを積み重ね、何かあったとき、互いに手を差し伸べられる地域を作っていければ」と語った。

  連絡会発足から4年余りが経過。活動のマンネリ化や当初熱心だった学生たちが代替わりし、つながりが薄くなりがちといった課題もある。酒井代表は「メンバーの中心が民生委員に偏りがちだが、地域のアパート経営者や事業者など広範に声を掛け、いろいろな情報を得られるようにしていきたい」と気持ちを新たにする。

  小川教授は「互いに多様な人と知り合うことが問題解決の選択肢を広げることにもなる。出会いの場を作る連絡会の機能をこれからも大事にしていきたい」とし、息の長い活動を期待する。(馬場恵)


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